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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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期末テスト=恋人検定テスト!?-6


「そ、そんな馬鹿な…………」
アタシの横で憲が固まった。アタシも顔が氷つく。
張り出された成績上位50人分の名前の中に、憲とアタシの名前はあった。
問題は名前が書いてある位置だ。
得点は個人の情報だから、と非公開。1位から順に見ていくと3位の場所にアタシの名前があった。今回は自分そっちのけだったしな。
で、問題は憲だ。
『10位……矢城孝之』
で、『11位……太田憲』
「すまん!業とじゃないんだ!!」
わかってる。故意に10位なんて特定の順位を取れるわけないし、ただ憲よりも孝之ができただけ……なんだが。
「……憲」
哀れすぎる。
生ける屍になってまで勉強したのに……。
それにしても困ったぞ。母さんの条件を果たせなかった。こ、このままでは……。
不安を抱えてるアタシ達を、時間は無慈悲にも放課後へと追いやった。
「ま、まぁ、前よりもかな〜り順位上がっただけ良いじゃんか」
今日はそのまま母さんに会う約束だ。
意気消沈の憲をなんとか励ますが、焼け石に水だ。
「……すまん、白雪。俺がふがいないばっかりに……」
「な、なに言ってるんだよ。11位だぞ?これなら母さんも多分…」
……やっぱり駄目かな。母さん、約束の鬼だからな。
「認めてくれなかったら、どうしようか?」
「あ、アタシは絶対別れないからな」
「俺だって。ただ、やっぱ認めてもらいたいよなぁ」
はぁ、二人で溜め息をついて、玄関のドアを開けた。



「……という事だった」
母さんに事の次第を告げる。
相変わらず、母さんは優雅にコーヒーを飲んでるわけで、かなり緊張しているアタシ達とは大違いだ。
「そうですか、では……仕方ありませんね」
「すいません!約束守れなくって!!でも、俺、白雪さんの事…本当に好きなんです!!!もう一度、チャンスを下さい!!!!」
母さんの答えを聞く前に憲が立ち上がって頭を下げた。
「母さん、アタシからもお願いするよ。アタシから、憲を離さないで!!」
「……何を言ってるんですか?」
「「………は?」」
アタシ達の必死の懇願に、母さんは首を傾げた。
「10位以内に入らなかったら認めないなんて、最初から言ってませんよ」
「「はい?」」
「勘違いなさってるようですけど、私はあなた達の事は話しをした時から認めていました」
な、なんだって……?
「じ、じゃあ、あの条件は……?」
アタシが震える声で聞くと、母さんはシレッと返してきた。
「試しただけです。ちゃんと言いましたよ」
ドサッ
「け、憲!!??」
緊張の糸が切れたのか、疲労のせいか……何にせよ、憲は倒れた。



「ったく、母さんは!」
「そうぼやくなよ。母さんはお前を思って」
「そのせいで憲が倒れたんだ!」
アタシの部屋で、アタシの愚痴に孝之が反応する。憲はベッドで熟睡中だ。息してるか確認しないと死んでるように見える。
「まぁ、何にせよよかったじゃんか。母さん、認めてくれて」
それだけだな、今回の収穫は。
孝之が出ていって、憲とアタシの二人きりになる。やっぱ、憲の寝顔は可愛い。
「うわぁ……」
ん、うなされ始めたぞ!?
「ふぇ、フェノールフタレイン溶液が襲ってくるぅ」
な、何に襲われてるんだよ……。
「ん……しらゆき」
……アタシの夢を見てくれてるのか。
嬉しくなったアタシは、憲のオデコに優しくキスをした。
お疲れ様と愛してるをこめて……。



END


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