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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲=サンタクロース?-1

さて、12月ももう後半。今年もあと一週間で終わって次の年になる。
そんな時に、俺は白雪の家に向かっていた。


『憲=サンタクロース?』


ピンポーン……
チャイムがお決まりの音で鳴って、来客を知らせた。
間発入れずにドタバタと音がしたかと思ったら、白雪が笑みを浮かべてドアを開けた。
「憲、入った入った」
「おいおい、インターフォンで確認してから開けろよ。俺じゃなかったらどうするんだ?」
最近は悲しいかな、物騒な世の中になっちまったからなぁ。
そんな心配をよそに、白雪を俺の腕をひっ掴んで家の中へと引きずり込んだ。
「大丈夫大丈夫。憲が来ないか、ずっと窓から見てたからな。それに、変な奴だったら速攻閉めるさ」
そう簡単にはいかないと思うが……。
「あれ……?なんだ、その荷物」
白雪の目線は俺が背負っているリュックに注がれていた。が、その質問には答えられんな。
「内緒だ」
「む……アタシに隠し事かよ。生意気な。ほら、白状しろ」
「いや、黙秘権を行使させてもらう。…まぁ、後でわかるよ」
「むぅ……そうか、じゃあ仕方ないな」
釈然としないと言った表情で白雪はサンダルを脱いだ。
「ほら、何時まで立ってるつもりだ?」
「お邪魔しま〜す」
玄関から上がって、そのままリビングに直行。暖房が効いた部屋の暖かさが体に染み渡る。
「はぁ〜、暖かいや」
「暖冬とか言ってたのに、今年は寒いよな」
最近の気温は間違いなく気象庁に喧嘩を売ってると言えるぐらい、発表と反対だからな。
さて、そんなリビングのテーブルの上にはそれはそれは豪華なご馳走がずらり……って、これはちょっとずらりし過ぎでは?
二人で食べきれるか、これ。
「多いなぁ」
「いや、そのなぁ。憲が好きそうなの作ってたら、こんなになっちゃって……」
よく見れば、並んでる料理は全て俺の好物で構成されている。う〜ん、俺って幸せ者だなぁ。
「そっか、サンキュ」
ちょっと落ち込み気味だった白雪の顔が明るくなった。
「さ、さぁ、とりあえず手を洗ってこいよ。うがいもしろよな」
「はいはい。おおせの通りに致します」
最近風邪が流行ってるしな。うがいはきっちりしとくべきだろう。
まぁ、ここ2年ほど風邪ひいてないけどな。
「さぁ、座った座った」
白雪に促されて、座布団の上に座る。
白雪は隣。
うん、それにしても美味そうだ。お、豚肉のしょうが焼きがある!
大好物なんだよ、これ。
「いただきます!」
「お代わりあるから、どんどん食べてくれ!」
手始めにサラダに手をつけた。食物繊維は一番最初に取るのが、一番消化に良いらしい。
最近、ちょっと太ってきたし……幸せ太りってやつか?
まぁ、今は気にしないでおくとしよう。
次々と、俺は料理に箸をのばした。
うん、美味い。白雪の料理の腕は確実に上がってる。
って、あれ?
「白雪は食べないのか?」
「へ……?あ、あぁ!食べる食べる!!」
ぼぉっとしてたと思ったら、急いで箸を手にとる。
……なんだ?
首を傾げつつ、食事を再開した。
今、テレビではよくある『今年のBestHitSong』なるものが放送されていた。
そういや、最近CD借りに行ってないなぁ。


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