ボーイミーツガール・3-4
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何のトラブルもなく駅に着いたエリーちゃん以下ボクたち一行は、寄り道なんかしないで、すぐに『聖カペラ女学院』の女子寮へ向かった。その道すがら、ボクは、ナツコさんを初めとする皆さんに、からだを支えてもらったり周りをガードしてもらった御礼を言った。もちろん、今夜のイベントのときに “からだで返す” ことになるんだろうけど、まぁ、ソコはとりあえず、礼儀ということで。
ボクは、とても幸せな気分だった。憧れのエリーちゃん――いや、エリー様とお近づきになれたばかりではなく、それどころか “僕(しもべ)” としてお仕えする、またとない機会を逃すことなくモノに出来たのだから。ソレを与えてくれた蔵人先輩には、いくら感謝しても足りないくらいの大きな恩義を感じている。
そして、いつかエリー様に、ボクの初めて――短期間に色々経験しちゃったけど、童貞なんだよね、まだ――を捧げたいんだ。やっぱりムリかな? だってボクは僕なんだもんなぁ。ボクの方からお願いなんて出来っこない。
でも、エリー様にだって、まさかのお戯れってコトがあるかもしれないし、少しくらいは期待しちゃってもいいよね……ねぇ?
エリー様が、不意にこちらを振り向いてウィンクしながら、手の指で作ったピストルでボクのハートを撃ち抜いた――アナタの人生、変わるわよ♡♡♡
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『夜霧の<ピー音>』
♪ 誰かが呼んでる<ピー音>
扉を 越えて来る
目を遣るとソコに
黒い影が揺れる
アレはアレはいつのこと
ふたりを繋げた<ピー音>
イイの これがイイ
そうよ こうスルと
知っていた私
誰かが呼んでる<ピー音>
<ピー音><ピー音>
いつかのアノ声よ……
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――ボーイミーツガール・了
2と3の間に当たるエピーソードを、別作品『ボーイミーツガール・♡』として発表しました。よろしければ、そちらもご覧になって下さいませ。