痛み-6
「しょうちゃん、もっと、強くしちゃっていいよ。」
飲んで、いい気分のまま、しょうちゃんと私は、近場のラブホテルで行為に及んだ。
「…痛くない?」
「痛くして。」
「利津子ちゃんが痛がるのは、俺の趣味じゃないなー。」
「…痛くしてもらいたいの。」
しょうちゃんは、動きを止めて、少し私を見つめた。
でも、すぐに笑って、
「やだー」
と言って、ひたすら私を、よくした。
そして私は、どこまでも、よくなってしまった。
私の罪悪感は、行き場をなくした。
しょうちゃんが寝付いた後、少しだけ泣いた。
揉めてる間、私は1回も泣かなかった。
私は、泣ける立場ではない。
分かっていて、いつまでもいつまでも、ぐずぐず泣いていた。