ボートで-1
「さてと、」食べ終わったケンジが立ち上がった。「それじゃあケニー、俺たち、ボートで沖に出るから。」
「おお、もうムラムラきたんか。ケンジ。」
「ばかっ!」
「ほな、気いつけて。」
ケンジはマユミをボートに乗せ、海に押し出した。そして自分もボートに乗り込み、マユミと向かい合って座った。そして海の中にいる人混みをかき分けながら、小さなオールを使ってボートを沖へと進ませた。
「ケン兄、気持ちいいね。」
「そうだな。」
二人の素肌を爽やかな風がまつわりつきながら吹きすぎた。
かなり沖に出た。もう浜にいる人たちも遠くに小さく見えているだけだった。
「マユ、横になりなよ。」
「え〜。ケン兄ったら・・・・。もう我慢できないの?」
「い、いや、そうじゃなくて、この炎天下じゃ、お前、その肌が焼けてしまうよ。俺が紫外線から守ってやるよ。」
マユミはケンジに言われたとおりにボートに仰向けになった。ケンジはマユミに覆い被さるようにその逞しい身体を重ねた。「ケン兄。」マユミは思わずケンジの背中に腕を回した。「マ、マユ、もう少し待ってくれよ・・・。」
ケンジの心臓は次第にその鼓動を速くし始めた。重なったケンジの身体からそのことを察知したマユミは言った。「ねえねえ、ケン兄、下になってよ。」
「え?」
「いいから。」
今度はケンジがボートの底に仰向けになった。マユミはいきなりケンジの小さな水着を下に降ろした。「あっ!」
「じっとしててね、ケン兄。」
しかしケンジは慌てて自分の股間を両手で押さえた。
「もう!なんで邪魔するの?」
「だ、だって、は、恥ずかしいじゃないか。」
「だから、なんで恥ずかしいんだよ。ケン兄、夜にいっぱいもっと恥ずかしいことしてるじゃん。」
「夜はいいんだ。でも、こ、こんなに眩しい光の中で見られるのって、やっぱり・・・・。」
「いいから手をどかすのっ!」マユミはケンジの手を振りほどいた。ケンジのペニスはすでに大きく怒張し、脈打っている。ケンジは振りほどかれた両手で自分の顔を覆って、情けない声を上げた。「マユー。」
「ケン兄ったら女のコみたい。」くすっと笑った後、マユミはケンジのペニスをゆっくりと口に咥え込んだ。
「ううっ!」
しばらく舌で愛撫を続けた後、マユミは口を離して言った。「だいぶ上手になったでしょ?」
ケンジは手で顔を隠したまま無言で大きく頷いた。
「イってもいいからね、あたしの口に。」
「い、いや、だめだ、それは・・・。」とっさにケンジが顔から手を離し、首を持ち上げて主張した。「イくときは外で、うああっ!」マユミは例によってそんなケンジの言葉を無視して彼の腰に手を回すと、再びペニスを咥え込み、大きく出し入れし始めた。
「あああああ、マ、マユ・・・・・。」
マユミの唾液と自分で分泌する液で濡れきったペニスはさらに大きさを増し、ビクビクと脈動し始めた。
「だ、だめだっ!も、もうイく、イくっ!」ケンジは大きく身体を仰け反らせた。「ぐうっ!」その拍子にボートが大きく傾き、マユミの口がケンジから外れてしまった。「きゃっ!」そして次の瞬間、いきり立ったケンジのペニスから勢いよく精液が飛び出した。
びゅびゅっ!
それはケンジの頭上高く放たれ、弧を描いて海に落ちていった。
どびゅっ!どびゅっ!
大きく放物線を描いて、ケンジの精液が幾筋も海に向かって放出された。
「すごい!ケン兄、すごい勢いだね。」ケンジの足下にちょこんと正座したマユミが感嘆の声で言った。
勢いが弱まった残りの精液は、ケンジの胸に、それでも大量にまつわりついた。ケンジは大きく肩で息をしていた。
「こんな勢いであたしの中に発射されてたんだー。すごいすごい!」
その時、ケンジの頭の方向から声がした。「ほんま、溜まってたみたいやな、ケンジ。」
「ケニー!」マユミが叫んだ。ケンジも起き上がって振り向いた。ケネスは二人の乗ったボートの縁に手を掛けた。「えらい勢いで飛んできたで、ケンジ。」
「お、お前、ここで何やってんだ?」
「一人でのんびり遠泳や。あの島をぐるっと回って帰ってこう、思てる。」
ケネスが指さす方向に小さな島があった。木が生い茂り、どうやら無人島のようだった。
「ほな、ごゆっくり。」ケネスは再び海に入り、ゆっくりした平泳ぎでその島を目指して離れていった。