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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼・其の四〉-15

『幹恵、金なら払わなくていいぜ。あのガキ共の身体で払って貰うからさ。それに、俺みたいな奴とあまり付き合うのも良くないだろ?今日で終わりだ』


意外……きっと法外な金額を要求し、しつこく関係を迫るかと思っていたのだが、それらは全て杞憂だったのか?


「…え?でも、そんな……」


心にも無いのに食い下がる幹恵に、和成は改めて報酬はいらないと突き放した。それはやはり嬉しい誤算であった。


「じゃあ、私はこれで……友も頼んだわよ」

『任せとけ。幹恵の悪いようにはしないさ』


まだ友の捕獲の確認をしていないのに、幹恵は部屋を後にした。
助けを求める二人の生徒の声を背中に受けても、なんの感情も起こらない。
ドアをパタンと閉めると辺りは静寂だけであり、綺麗な星の瞬きと涼しい風が幹恵を出迎えてくれていた。


『お帰りですか?』

『疲れてるでしょう?無理せずお気をつけて』


部屋の外は広い敷地になっており、高い煉瓦の外壁に囲まれていた。
その中にはまだ数人のスーツ姿の男達がおり、誰か来ないか見張っていた。


「本当に助かりました。皆さんありがとうございました。和成さんにも宜しくお伝えください」


丁寧な言葉を選んで会釈をすると、幹恵は敷地の隅に止められていた自分の車に乗り込み、アクセルを踏んだ。

煉瓦の外壁を横目に出口に差し掛かると、その先は長い下り坂になっていた。
更に下ると鉄柵状の門があり、またスーツ姿の男達が立っていた。
門は男達の手によって開けられ、そこを通過していく。
どうやらソコで部外者を排除していたようだ。


(厳重なものね……ま、あれだけするなら“大丈夫”か……)


あの部屋はまだまだ監禁部屋として使われるのだろう。
もう少しすれば、あの部屋には友も連れ込まれ、二度と自分の前には現れないはず……幹恵は全ての悩み事が吹き飛んだような気分になり、大した好きでもないアーティストのCDを大音量でかけた。
それは前に友から借りたCD……再び絶対的な地位を取り戻した幹恵は、鼻歌混じりにアクセルを踏み付けて夜道を疾走していった。






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