8月10日-2
ホテルまでの車内でも、しょうちゃんは相変わらすハイテンションだった。
私もだんだん慣れてきて、リラックスして話すことができた。
「しょうちゃんって、仕事何してんの?」
「塾のせんせー」
「え、すごいね。頭いいんだ。…なんの教科?」
「性教育」
「…」
こんな風に、しょうちゃんは、自分の情報を所々誤魔化した。
しょうちゃんの本名を、実は今も私は知らない。
「みんな、しょうちゃんて呼んでるから」
そう言って、名前を教えてくれなかった。
まあ、いいか、といつものように追及しないことにした。