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【寝とり/寝取られ 官能小説】

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「うわ、すっげ。これ、カニ入ってるじゃん?」
「わたしの親戚が北海道にいるから……この時期、毎年送ってくるんです」
「へぇ〜いいなぁ、そんな気の利いた親戚が俺にもいるといいんだけど」
「お酒は、どうします?」
「え〜っと、どうしようかな。車は……ハヤトの奴に送らせるか。マドカちゃんは、それでいいのかい?」
「わたしは、構いませんよ」
「そっか、じゃあマドカちゃんも飲もうぜ。明日、仕事は休みなんだろ?」
「ええ、それじゃ、少しだけ頂きます」
「少しと言わず、パーッと行こうぜ! 後のことはハヤトに面倒見させればいいんだよ」

 アオキがマドカの持つグラスに赤ワインを注いでいる。
 マドカは日本酒や焼酎をあまり飲まない。何故かワインだけは結構好んで飲んでいた。
 アオキは酒ならなんでも飲む男だが、この男にワインは何となく合わない気がして、俺は少し苦笑した。

 二人が乾杯をして、鍋を箸で突き合っている。
 これだけ見ると、完全にこの二人が恋人同士のように見えてくる。話も弾んでいるようだ。
 マドカは保育士などしている割には、結構人見知りする性格で、知らない人間相手にはあまり話はしない。
 アオキは人怖じしないし、話は面白い男なので、マドカは話しやすいのかもしれない。
 そんな二人を別の場所から見つめている事には、複雑な思いが無いではない。
 
「カニうめぇ〜、こんなの食ったの、いつ以来かな? ハヤトはいつもこんなの食ってんの?」
「まさか。今日は、特別ですよ」
「そっか。あいつも、こんなの食える日に居ないなんて、間の抜けた男だよなぁ」
「最近、時々帰り遅くなるんですよね。仕事なら、仕方ないですけど」
「へぇ〜、真面目が取り柄の男だからなぁ……でも、案外、浮気してたりしてな?」

 アオキは、そう冗談めかして言ったが、マドカは少し口をつぐんでしまった。


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