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たねびとの歌
【ファンタジー 官能小説】

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種付け師誕生-1

わしは山奥に住む百姓の爺いだ。
わしの子供達はそれぞれ独立して海外に渡ってしまい、妻の葬儀にも弔電しか届かなかった。
わしは田畑を売り払って都市部のアパートに移った。
山奥からいきなり都会に出ると、全く面食らう。
なんとか数日でコンビニとかスーパーとか水道・ガス・灯油などのシステムに馴れるようになった。
今までは水道は湧き水をポンプで汲んでいたし、暖房も煮炊きも薪ストーブで大抵すませていた。
野菜は自分で作った物の方が格段にうまいが、贅沢を言わなければ結構この生活も快適だ。
わしが一番楽しいと思ったのは、人間が沢山いることだ。
都会では毎日寄り合いをしてるのかと思うほど人が集まっている。
特に娘っ子が肌を剥き出しにして歩いているのには驚いた。
身につけているものも色とりどりさまざまで、まるでお菓子かキャンディの包装みたいだ。
しかも包装を少しだけ開いて、中身をちらちら見せて、『食べてごらん』とでも言うような様子なんだ。
触れなば落ちんという風情とはこういうのを言うのだろう。
後をつけて家を確かめ、夜中に夜這いをかけたくなるような感じだ。
わしは老人だがあっちの方はまだまだ元気だ。
うちのが女のものが早くにあがってしまったから、随分不自由したもんだが、いつの間にか自分で処理するようになってしまった。
まあ、小便が溜まればさっさと出すのと同じで、相手なしに出すしかないんだ。
それには、ずっと前に町の者が投げていったエロ写真入りの週刊誌を見ながらしたもんだ。
だが何度も使っているうちに、すっかり顔なじみになってしまってな。
情が移って来て、なんか自分の娘とまぐわっているような気になって来て立たなくなってくるんだ。
そこに載っている5・6人のモデルたちは芸名も覚えたし、今ごろは相当のおばさんになっている筈だが、もう他人とは思えない感じだ。
昔は山奥にもテレビが映ったもんだが、都市部にサービスが集中して、長いことラジオしか聞けない生活だった。
だからアパートでもテレビは置いていない。
町を歩く人間を見て入る方が面白い。
特に娘っ子たちを眺めて、あのエロ雑誌のモデルの代わりになるように、しっかり
目に焼き付けようとするんだが、アパートに戻る頃には記憶が薄れてしまうんだ。

「爺さん、何見てんだよ。あたしに何か用かい」
ちょっと変わった娘がいたもんだから、ずっと観察してたら、本人が近づいて来てそう言った。
娘っ子なのに血気盛んな若者みたいに目尻をきりきりと上げて、眉間に皺を寄せて歩いてんだ。
それに肩で風切るように、外股で見えない石ころでも蹴飛ばすように歩いてたんだ。
他の通行人達は避けるようにして道を譲っていた。
だけどどこから見ても熟れ盛りの娘っ子だ。その娘っ子がわしに文句を言ってきた。
「わしのことかい? 可愛い娘っ子が面白い歩き方してるからつい見ちまった。悪い、悪い」
「か……可愛いだあ? 舐めんなよ、爺イ!」
娘っ子が思い切りおかしな顔をしてわしに顔を近づけて来た。
そのときに娘っ子の唾が少し顔にかかった。
眉間だけでなく鼻柱にも皺を寄せて、赤いふわふわした唇を歪めて綺麗な白い歯を剥きだしにした。
歯茎も綺麗なピンク色だった。
目つきは斜にして睨んでいるようだが、黒目はきらきらして星が沢山あるし、白目は青みがかってとっても綺麗なんだ。
こんな可愛い顔を10cm位の近くで見られるなんてわしは至福の時を感じたね。
わしが幸せそうな顔をしてるんで、その娘っ子は変な顔をやめて一瞬普通の顔になった。
それまで変な顔つきの為に気がつかなかったが、良く見るとショートヘアから長く白い首が伸びていて、はっとするような美少女だった。
目鼻立ちがはっきりしていて天使の羽根のような唇は口角が上に上がっている。
二重のぱっちりと開いた目の瞳は透き通るような清清しさなんだな。
その顔がとっても可愛くってわしはそのふわっとした花びらのような唇にわしの唇をちょっと押し付けてしまった。
「うぷっ! 何しやがる」
まさかその娘っ子がわしの股間を蹴り上げるとは思わなかった。
わしは苦しくて深呼吸をやっとして痛みが鎮まるのを待った。
娘っ子は足を踏ん張って腕を組んでずっと立っていた。わしは顔をあげた。
「なにするんだよ? わしのこれが使い物にならなくなったらどうする」
「爺イが。どうせもう使えないくせに」
「馬鹿いえ、お前さんにも種付けできるくらい元気だ」
「種付け?」
そのときその娘っ子は急に驚いてわしの顔を覗き込んだ。
「爺イ、嘘だろう? 種付けなんて」
「何が嘘なもんか。ちゃんと男の物が立つし、種もでる。試してみっか?」
この最後の一言は勢いで言ったんで、決して本気ではなかった。
ところが娘っ子はわしの腕に絡み付いて胸を押し付けると言った。
「立つだけでも良いよ。やってみせろよ」
 


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