卒業-8
「あっ、だ、駄目ですよ、ショウコさん。そこは……」
「何が駄目なの? こんなに、カチカチにしちゃってさぁ」
「だって、人が来たら、どう…うっ、うう」
「そうそう、人が来るから、早くしないとね」
あたしは、ジャージの上から触るだけでは飽きたらず、ジャージの下のトランクスの中に手を差し込んでタケシの硬直を確かめてやった。
彼の優しげな顔立ちには似合わない立派な硬直で、指でカリ首の段差のあたりを撫でてやって彼のものの輪郭をなぞっていく。
タケシはあたしの乳房に手をあてながら、身悶えしていた。
「あっ、ああっ……そんなにされたら……もう……」
「え、もう? 今始めたばかりじゃない、もう少し我慢して……あっ」
「あ、あああっ、ううっ!」
何度か指でタケシの硬直を擦ってやると、あっけなくタケシは射精してしまった。
タケシは自分のジャージと、あたしの手の中に自分の精液をぶちまけたのだ。
どくっ、どくっ、と凄い勢いで何度かあたしの掌にタケシの精液が注がれた。
すごい、熱いな……。
あたしの股間も、じっとりと湿ってこの先を望んでしまっていたのだが、さすがに無理か。
タケシはあたしの胸から手を下ろして、快感で呆けたような顔をしている。
ジャージの中に差し込んだ手を抜くと、タケシの濃い精液がこびり付いていて、その性臭が漂ってきた。
一瞬、あたしの体がゾクリと疼いたが、堪えた。
タケシは、まだ朦朧としている。あたしは、公園の水道まで手を洗いに行く事にした。
「ねぇ、タケシ君、嫌だった?」
「そんな……嫌なんてことは」
「そうよね、あんなにたくさん出したんだもんねぇ?」
「…………」
「しかし、人間ボロボロになっても、エッチはしたいし腹も減るのよね」
「は、はぁ」
「タケシ君さ、今日から君、あたしの弟子になんなさい」
「弟子? はぁ……ダンスのですか?」
「ダンスじゃないわよ。明日から、あたしと鍛錬をするの。見てるのは、今日で終わり。いいわね?」
「はぁ……ショウコさんが、そう言うなら」
今ひとつ気のない返事ではあったが、今朝彼と会った時の死人のような顔つきよりはいくらかマシになっている。
少々サービスしてやったからだろうか。でも若い男は単純でいいなと、少し羨ましく思う。
本来、彼は、ここにいるべき男ではない。
タケシには、あたしの背中を見せることが出来ない。
あたしのような女と一緒にいるよりは、もっとまともな人間と行動を共にするべきなのだ。