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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#04  研修旅行――三日目-7

多分、白熱した私と岐島の問答に興味を惹かれたのだろう。

なんたることだろうか?

そのクラスメイトたちの顔には「夫婦喧嘩は犬も喰わない」とでもいうような、そういう感じの、なんつーか、こっちの羞恥心ドストライクの生温かいアレが浮かんでいたのだ。

昨日の朝の一件(山崎たちの強制送還騒動)あたりから、どうやら、私と岐島の仲が疑われているらしいのである。

それからというもの、岐島と一緒にいるときにはいつもそんな視線に晒されていたのだから、まあ、間違いないだろう。



奴らのそんな疑念を、どうやら確信に変えてしまったようである。



そうして、私がなにもできずに沈黙していると、



「……他人の胸倉を掴んだ格好で固まることに意味があるのか?」

「〜〜っ!ねえよ、バ〜カッ!」



ザ・無神経男。鈍感の権化。デリカシーの欠片すらも過去に捨ててきてしまった変人。

そんなバカへと私は叫んだのだった。









それから二時間弱、我らが鐘状高校の駐車場へと四台のバスが停車し、百五十人弱の生徒たちが整列していた。

このくそったれな苦行もコレでフィナーレである。本当によかった。

特に帰りの車内なんて、そりゃ地獄であった。

なんつーか、思春期の耳年魔っぷりってのはホトホト嫌になる。それだけ言えば、どんなだったかはわかるだろ?

――でも、もう過去の話である!私は自由になったのだっ!



「佐倉さん!どこいくんですか、一緒に帰りましょうよ!」



…………ジユウニナッタノダ。

バックを肩から吊り下げ、そのベルトに鳥籠を引っかけるようにして――何気に律儀な女なのである――校門を出ようとしていた私は絶望に脳天を貫かれた。

それでもとっさに足が止まってしまったのはこれから最低でも半年は一緒のクラスメイトとの関係を慮っての判断だったのだろう。私の無意識、使えなさすぎ。

振り向くと予想通り、林田・相原ペアであった。




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