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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#04  研修旅行――三日目-6

「ふっ……そうだよ。神通力でもあるのかもね」

「はっ、ホザケ。ばーかばーか」

「だから、俺がバカだときみは――」

「私もバカじゃねえよっ?」

「…………そうだね。その通りだ」

「ソコで退くなよ!私が駄々こねてるガキみてえじゃねえか!」

「ふうん?きみもなかなか自分の立場を理解してきたみたいだね」

「おぉい!おまえ、マジ、私をイジるのがクセになってきてねえかっ?」



これは、ここ数日の数々の無礼を思い出した結果だ。

これからの人間関係を左右する重大な問いかけだったのだが、岐島はすぐには返答してこなかった。



「………………」

「………………」



天井を見て、騒ぐクラスメイトたちを眺め回し、窓越しにバスを追い抜いていった運送トラックを見送った岐島がようやく口を開てくる。



「まさか」

「なあ、岐島?視線をそらすんじゃあねえよ。なんだったんだよ、いまの間は、おい?」

「…………ははは」

「白々しっ!オマエのそんな爽やかな笑い声なんて聞いたことねえからな、気持ち悪ぃよ!」



私が座席に膝立ちになり、車外を眺めて笑う岐島の襟首を掴んだときである。

クイッ、と背中というか、腰の辺りに抵抗を感じた。

肘掛に引っかかったってわけではないのだろう、クイクイと何度も引っ張られ、仕方なく私は振り返った。

すると、いつの間にか自慢のマシンガンも弾切れのなったのか、林田が相原とともにこちらへと無言で、何かを訴える表情を向けてきていた。

私は不審がりながらも、同じく眼差しだけで疑問符を投げかけた。

目の合っていた林田の視線が車内へと巡らされる。

ソレを追った私は――



「あっ」



赤面した。

なんと、ついさっきまで賑やかだった車内がやけに静かになっており――運転手を除いたその乗員全員からの注目を集めていたのだ。


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