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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-3

 ルアーノ隊は駆け出した。
 この山上から朝日が見えたと同時に、平原と海上の両陣営が動くのを見た。
 ルアーノギルドは遠距離攻撃に特化しているため、まずは彼らギルドの面々が、
 奇襲に近い形で城壁に配備されている敵を城門左右から展開して片付ける。
 そして他の面々が城門前の敵を排除していく。
 ある程度道が開けたら、城門を戦士による大槌やウィザードの魔法で破壊する。
 そのような作戦を実行していたのだが、先行したギルド員が一人戻って来た。
 どうもしっくりこないといった顔つきで。

「どうした!?」

 ギルド員がルアーノのところまで来る前に、先にルアーノが声を掛けた。

「いや、それが、…なんかおかしいんだ!」

 彼の言いたい事が理解できないルアーノは業を煮やし、彼に駆け寄る。

「何がどうおかしいんだ。はっきり言え。」

「俺らが城壁まで行くと、敵の姿がないんだ。
 城門の敵はなにやら騒がしかったし、俺にも何がなんだかさっぱりわかんねぇ。」

 彼の説明を聞いても結局理解することができなかったルアーノは、
 自ら駆け出し城門前へ侵攻する味方部隊を追い抜き、現場へ赴いた。
 到着すると、そこには呆然と立ち尽くすギルドの面々がいた。

「おい、何があった!?」

 ギルドの面々に声を掛けるが、誰も反応を示さない。
 ただ、誰もが前方を戸惑いと恐怖に呑み込まれた表情で見ている。
 そして不審に思ったルアーノは彼らの前方を見つめる。
 彼の目は見開かれた。
 前方には、既に地に這いつくばっている事切れた敵兵の姿があった。
 城門前には阿鼻叫喚の地獄絵図が…。
 砕け散った武器防具や、
 何かに押し潰されておそらく臓器が破裂しているだろうと思わせる大量の血の海と、

 ぼろ雑巾のようになった惨たらしい血肉、散らばった肉片や内臓があった。
 周囲にはいくつもの見たことはないナイフが多く散乱している。
 城門には人一人が入れるであろうと思わせる穴がぽっかりと開いていた。
 周辺は血の匂いに包まれていて、現場へ近づくほど濃くなった。
 なるべく下を見ないように、ルアーノは城門へ歩みを進める。
 門の穴の周囲には、いくつもの削り痕がある。
 ナイフを扱うシーフである彼には、すぐさまこの痕跡が何によるものか理解できた。

 そして、門全体にはこの削り痕は見当たらない。
 彼の脳は思考することを躊躇ったが、やむなくこの地獄の全貌をルアーノに理解させた。
 まずシーフを含む謎の者達が城門前の敵を排除した。
 そしておそらく縦状のアイスブラストかシャークミサイルで一点集中に門を狙い、
 粗方破壊できたところで、亡骸をそこに力任せに投げつけ、強引に門をこじ開けたのだろうと…。
 開戦前から戦場に出ているルアーノですら、このような状況には出くわしたことはなかった。
 ルアーノはこれ以上この場に留まると自分の意識がおかしくなると思い、早々に仲間の元へ戻った。
 
 レクサス達後続の本隊が丁度城門前に到着した。
 レクサスは目の前の光景を見て、頭で考えるよりも先にリトを後ろへ下がらせた。
 そしてルアーノが言う。

「おい…、誰か海上と平原の部隊に報告へ行」

 ルアーノの命令の最中に、城内に断末魔が響き渡る。
 しかもかなり音色が複雑な。

「未確認の集団がバイサスを攻撃している…、気をつけろと…。」

 誰もが不安に思っていた。
 レクサスがなんとかこの不安に呑み込まれまいと、自分を奮い立たせながらルアーノに近寄る。

「おい、ルアーノさん…、こりゃぁ…。」

「ああ、何かが起こっている…。
 レクサス、万が一のことを考えてお前達は後方で待機しろ。」

「いや、俺も」

「黙れ! この部隊を率いてるのは俺だ、言うことを聞いてくれ。
 お前の実力を買っているから、後方の安全を万全にしておきたい。
 それに俊敏な俺達だけで行った方が、被害は最小限に抑えられる。」

 ルアーノのレクサスへの配慮だった。
 いくら亡きアルフォンスの弟子とは言え、レクサスはまだ17歳だ。
 この奇怪な状況と目の前の光景を前にしてレクサスが無理に平静を装っているのを、

 ルアーノは彼の表情と覇気のない声から悟っていた。
 自分を見透かされたレクサスは、ルアーノの指示に黙って従い後方へと下がった。

「おい、ぼさっとしてないで、死体を片付けろ! 中へ乗り込むぞ!」

 ルアーノに一喝されて、彼のギルドの面々はようやく自分達が戦場にいることを思い出した。
 そう言うとルアーノは再び城門へと歩き出した。
 まずは立場が上の者が行動しなければ、誰も動かない。
 そして目の前の光景を少しでもなんとかしなければ、さすがに気分が悪い。
 彼の隊はこの不可解な事態に戦意喪失する者もあり、士気は下がっている。
 しかし彼はこの問題を見過ごせば、なにやらもっと恐ろしいことが起こりそうな気がしていた。


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