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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-2

「ジャイファン軍、3部隊に分かれそれぞれの城へ行軍しています。」

 明るさを増してきた東の空を見つめている女に、バイサスの伝令が報告する。

「そう…、わかった。」

 ノヴァは視線を東の空から離さないまま、それだけ告げた。
 レクサスに射抜かれた右腕には包帯が巻かれている。
 しかし彼女は左利きなため、また雪原戦から既に1ヶ月という月日が経過したことにより、
 戦闘には然程支障をきたすことはない。

(リザルトの体はまだ十分に回復してないし…、仕方ない、頑張るか。
 彼抜きで勝ったら、私のこと、認めてくれるかな…。)

 何もそれには答えない。
 静かに溜息をひとつついた。
 東の空を背にして振り返り、城門へ向けゆっくりと歩き出した。
 女性としての顔は既になく、戦う者としてのそれとなっていた。
 影を作る時は近い。


 平原要塞を前に、ヴァルキリー率いる部隊は太陽が現れるのを待っている。
 3部隊が各々独自に攻めるのだが、太陽が顔を覗かせた時を作戦開始の号令代わりにしていた。
 海上要塞のある方をヴァルキリーは見つめる。
 ウェスタングレードの入り口は北にあり、そこから3部隊分かれて行軍したが、
 海上要塞が入り口から最も遠く離れているため、アランの部隊が先発した。
 
(アラン達もそろそろ海上前に陣を構えているだろう…。)

 東の地平線を眺めるヴァルキリーは、左隣にいるアイサに視線を移さずに声を掛けた。

 言葉数こそ少ないけれど、優しさを込めて。
 
「アイサ…、頼むぞ。」

 彼女は無言のまま、目を閉じ反応を示さない。
 ヴァルキリーはアイサとピノが、
 どういった経緯でストリームブリンガーに入隊したのかを理解している。
 ピノの死を前にして、1ヶ月が過ぎたが、
 弟の死をようやく受け入れることができた彼女にとっては、まだ戦場に出るのは辛いだろう。
 しかし、彼女はこの戦いに参加する意思を見せた。
 彼女の意思を尊重し、上官である彼は出陣させた。
 そして、ここで下手に彼女を慰めても無意味なことを彼はわかっているので、
 先程のように声を掛けた。
 ただ、彼女は何の反応も示さなかったので、ヴァルキリーはそれ以上は何も言うまいと、
 東の地平線を見つめ続けている。
 城門前ではバイサス軍が陣を敷き始めた。
 
「ねぇ、団長。」

 アイサがおもむろに口を開いた。
 ヴァルキリーは幾分驚き、彼女に視線を移す。
 彼女の目は未だ閉じられたままだ。

「私、ルアーノさんみたいに…、強くなるわ。」

 言葉がアイサの体から全て出ると、彼女の目がゆっくりと見開かれた。
 その瞳は間もなく照らし出される朝日を、既に映しているかのように、強く輝いていた。

「そうだな…、期待してる。」

 城門のバイサス軍の動きに視線を移す彼の声は、彼女をそっと見守るような声だった。

 そして東の地平線に太陽が遂に顔を見せる。

 太陽には今日という日がどのようなものであるかわかっている。
 だからそれを必死に光を照りつけることで人に知らせていた。
 なのに人は眼前のことにしか目が向かない。
 差異分析する機会があったにもかかわらず。
 太陽の眩しく輝く光を、勝利への光、未来への光などと都合の良い解釈をする。
 そんな人の自分勝手な部分が何かを生み出してしまったのかもしれない。
 そして太陽は彼等を止めることはできなかった。
 ただ、そんなことを彼等が知ったところで何が変わるということはない。
 今の彼等には目の前のことに集中する事しか、やはりできないだろうから。
 だからこそ人は夢想する。
 それが儚いものと知っているけれど。
 だが何かはきっとそんな人の部分を逆手に取った。

 人が何かの手のひらで転がされているように、国家戦の火蓋が切られた。
 同時に、それぞれの新たな運命の火蓋が。
 この世界と何かとの戦いは、この時、始まったのかもしれない。
 けれども何もわかっていないヴァルキリーの声が、ただ虚しく響き渡る。

「全軍、行くぞっ!!」


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