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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-24

 イルス軍のやや左前方で大草原を眺めているアラン達をシューナは見つめていた。
 しかし俄にまたもイルス軍が一斉に臨戦態勢を執る。
 大草原のバイサス方向から2つの影が近づいてきた。
 リーフはアランの肩を解放し、アランはすぐさま剣を抜く。
 レクサスもアイサも戦闘態勢を執っていた。
 この2人が今回の戦闘の標的ではないと理解していても。

「止まれ! 何しに来た!」
 
 アランはできるだけ冷静さを伴わせ、相手を威圧する声で言った。

「お前達と同じ事をしに来ただけだ。」

 アランよりも冷静なリザルトが足を休ませることなく静かに言う。
 マルトースの賭けは成功した。
 しかし、皮肉にも支援に来たのはピノ、アルフォンス、アイサの命を奪った者達だった。
 レクサスが怒りをあらわにしながら言い放つ。

「だったら俺達の視界に入るな!」

「それはこちらとて同じだ。
 お前達の手によって死んだ者もいる事を忘れるな。」

 短くも威勢のある会話がお互いの関係を窺わせる。
 リザルトとノヴァはアラン達とは対称にイルス軍の右前方で大草原を静かに見つめる。

 リザルト自身はまだ雪原戦での怪我は完治していなかった。
 ただノヴァから聞いた国家戦の報と昨晩のバイサス襲撃により、
 リザルトもマルトースと同じ事を考え、この場に来ていた。
 いつかの泣いているような雨も今彼が言ったこともレクサスはわかっている。
 ただこの異様な雰囲気の大草原を前にして、彼の言葉は思考にも心にも届かなかった。

 それ以上の決死の覚悟が彼の言葉を遮った。


 静かに時は流れていた。
 しかし遂に1つの影が姿を現す。
 そしてある定めが。

 アランはレクサスと目で確認し、小さく頷き駆け出そうとしたその時だった。
 あのシーフはイルス軍目掛けて疾走してきたのだが、
 2つの影がアラン達の前に現れた。
 変哲な雰囲気を持つこの2人はシーフに立ち向かって行った。
 1人があの俊敏なシーフに状態異常魔法を使い、麻痺させた。
 誰もあのシーフに状態異常魔法を当てることはできなかったのに。
 そしてもう1人が連撃技ダブルアタックを発動させ、シーフの体を十文字に斬り落とした。
 誰もあのシーフを倒せなかったのに。
 血飛沫を上げて倒れゆくシーフに、
 ウィザードの方は放射性物質が放出する赤い強烈な電磁波を一直線に放ち、
 耳を劈くけたたましい轟音とその動きを目で追うことのできないそれが、
 シーフの存在を消し飛ばした。
 散々にこの世界の生きる者を苦しめたシーフは、あっけなく死んだ。
 事を終えた2人はなにやら話し始めている。

「Wait...,lookatthem.」

「お、お前等何者だ!?」

 レクサスはこの2人に弓を向けたまま吼えた。
 聞いた事のない言語を気に留める余裕はなく、ただこの桁違いの強さを持つ相手に、

 自分が恐怖に呑み込まれまいとして。
その場にいる誰もがこの2人を前にして、レクサスと同様に身構えている。
 ただアランにはどこか懐かしいような感じをこの言葉から得た。
 そして定例会議の日に見た夢の声と、この言葉の主の声が一致していることに気がつく。
 目の前の起きた出来事と、この懐かしさと不安により彼は困惑する。
 1つ断言できる事は、国家戦で突如現れた痛みはもういなかった。

「ふむ。ジック、どうやらここは過去じゃなくて未来のようだな。」

「そうだな〜、俺はデュオと違って過去語は得意じゃないから助かるぜ〜。」

 ジックはけらけら笑っている。
 デュオは細長い刀身を誇る剣を勢い良く振り下ろし、鞘に戻した。
 そして自分達を警戒し微動だにしないレクサス達に言い放つ。
 彼等はただこの恐怖に対し動く事ができないだけだったが。

「俺達に敵意はない。事の次第を説明するから警戒を解け。」

 そしてデュオとジックはその場に座り込んだ。
 ジックは仰向けになり夜空を眺めている。
 世界の混乱と不安から解放された星たちは喜びを隠せずに輝いていた。
 場違いなほどにそれは綺麗だった。
 星たちはこの瞬間全ての運命を把握したのかもしれない。

 何が起こるかわからないためアランはリーフとリトをその場に残し、
 レクサスと共に彼等に徐々に近づいていく。
 シューナ、アンジェリーナ、リザルト、ノヴァもアラン達に倣いデュオ達との距離を狭めていく。

「おいおい、取って食うことはしないから、早く来いよ〜。」

 後ろで両手を地面につき、むくりと上半身を少し起こしたジックがからかっている。

 それでも警戒を怠らないアラン達を見て、仕方ねーなー、と呟き再び地に背をつけた。


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