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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-25

 デュオはあぐらをかき、膝に肘を立てて手に頬をのせている。

「おい! 俺のさっきの質問に答えろよ!」

「よく雑魚ほど威勢の良い口を叩くと言うが本当だな。」

 デュオとジックは笑っている。
 レクサスは怒りを隠しきれず、今にも飛び掛りそうになるがアランが制した。
 そして冷静なリザルトが口を開く。

「貴公等が我等よりも格上であることはわかる。
 まずはこのシーフと貴公等の関係性を尋ねたい。」

 デュオがリザルトを見上げる。
 リザルトの冷静さに感心した。
 リザルト自身はこのシーフを倒したデュオの強さに興味を持っていた。

「そうだな、どこから話すか…。
 いきなり俺等とこのシーフの関係を話したところで理解できまい。」

 皆が黙ってデュオの言葉を聞いている。
 よし、と小さく呟いたデュオは話す流れを構築し終えた。

「俺達はお前達のいるこの世界とは別の所から来た。言うなれば過去だ。
 ただし時間軸が異なるだけで、世界そのものは基本的に変わらないとは思うが。
 そして俺達のいる世界に異変が生じている。
 その影響で俺達はお前等の世界に時間跳躍をして来る事ができた。
 ここまではわかるか?」

 誰もこの突然の不可解な話を受け入れることなどできはしない。
 ただこの目の前にいる人物の正体が気がかりなので、誰もが黙って聞いていた。
 彼等の表情を見てデュオは納得している。

「理解できなくても問題ない。後でゆっくりと整理すればいい。
 …そして先程言った俺達の世界の異変で、このシーフは、
 まぁ…、邪念に取り込まれて自我を完全に失い狂気に操られた、とでも言っておくか。

 そして俺達はこいつを討伐するために後を追ってこの世界に来て、今し方殺したというわけだ。
 こいつは俺の元部下で、そこに寝ているのがジック、そして俺がデュオだ。
 俺等はストリームブリンガーと言われる組織の構成メンバーだ、あぁ構成員な。
 そして俺が組織を束ねている。」

 レクサスは耳を疑った。
 確かにストリームブリンガーと聞こえたから。

「おい…、アラン、こいつは」

 咄嗟にデュオが反応して立ち上がり、アランの両肩を掴み詰め寄った。

「貴様! アラン=フィレス=デュルクか!?」

 アランは何も反応できない。
 全てが理解できなかった。
 デュオはしばらくじっとアランの顔を見つめ、そして高らかに笑いながら再び元の位置に腰を下ろす。

「ククク、そうか…、まぁいい、気分が変わった。
 話を続けるぞ。
 …現在俺等の世界ではあるものが復活しようとしている。
 そしてそれは強い。
 お前達もこの未来にいるのであれば、聞いた事もあるのかも知れないな。
 それはドラゴンロードって言う巨大な竜だ。」

 聞きに徹していたアンジェリーナが口を開いた。

「ええ、この世界の神話に出てきます。」

「まぁ竜といってもただの竜じゃない。
 先程話したように、このシーフはドラゴンロードの邪念によって狂人となり、
 ドラゴンロードの力によって時間軸がずれ、この世界に来た。
 それはまぁ…全てを破壊する邪念の塊みたいなものと言っておこう。
 それでだ、お前達俺等について来い。
 ドラゴンロードを倒しにな。」

 一同が驚きの表情を浮かべる。
 そしてそれをデュオは楽しんでいる。
 しかし再び表情は真剣な面持ちとなった。

「まぁ驚くのも無理もない。
 ただな、過去がなくなればこの世界は無に帰する、そういうことだ。」

「付いていかないと言ったら?」

 ノヴァが不安な面持ちで尋ねる。

「それはお前達の意思だ、俺等はそれでも構わん。
 ただし、このドラゴンロード復活の兆しを知っているのは俺等の国ジャイファンだけだ。
 生憎俺等の世界では今3国交戦状態でな、人手が足りない。
 戦争を早期終結させ、ドラゴンロードを倒すためのな。
 まぁ倒せれば問題はない、しかし倒せなかったらお前等のこの世界もどうなるかわからん。
 とりあえずしばらく考えろ。3日間猶予をやる。決意ができた奴だけセルメニスへ来い。」

 アランは全てを信じたくはなかった。
 しかし、現実を受け入れなければ何も事態は進まない。
 意を決したアランはデュオに問う。

「先程あなたが言ったアラン=フィレス=デュルクっていうのは何なんです?」

「…まぁ無理もないか、お前はまだ小さかったからな。
 それはお前のフルネーム、本当の名前だ。
 そして俺がデュオ=フィレス=デュルク、お前の兄だ。」

 そしてデュオは再びアランの姿をまじまじと見つめ、頬杖をつく。
 するとリザルトが間に入った。

「敵の身の上話に興味はない。俺達はひとまず本国に戻らせてもらう。」

「ああ。信じる信じないはお前次第だ。良い答えを待つ。」

「ノヴァ、早く来い。」

 黙ってデュオの横を通り過ぎていくリザルト。
デュオをいぶかしんでいたノヴァもゆっくりとその場を去っていく。
 デュオはリザルトとノヴァの後ろ姿を見つめた後、再びアランに目を向けた。
 リザルトの背中が語っている事をデュオは理解していた。


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