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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 1[Life and death]-8

No.4 「thepastandpresent」

「いやぁ〜、笑わせてもらったぜ、団長とお前って本当に最高だよな。」

 ヴァルキリーが退出したことを確認してから、アランに声をかけてきたレクサス。
 レクサスはアランの幼馴染の1人であり、親友である。
 そして、ストリームブリンガー入隊以前は、共にアルフォンスのギルドに所属していた。
 幼馴染として、そしてこれまで共に行動してきた腐れ縁である二人の間には、
 『確かな』信頼関係がある。
 アルフォンスギルドは人数的にバランスよく、
 ウォリアー、アーチャー、シーフ、プリースト、ウィザードが所属している。
 また先程の定例会議に参列していたアルフォンス自身は、
 弓の名手として他国にまで名を馳せる者だ。
 アーチャーのマルチという技は一度に5本の矢を装填することができ、
 軌道は始点から5方向に拡散する。
 しかし、至近距離であれば対象に5本の矢を当てる事も可能である。
 ゆえに破壊力はシーフのアイスブラストという技とウィザードの魔法と肩を並べる。
 ただ、アルフォンスのマルチは圧倒的な破壊力を誇るため、彼の知名度は高い。


 開戦前、アランとレクサスの二人がどの国の領土でもない中立地帯、
 レッテ山脈で狩りをしていた時だ。
 中立地帯はモンスターが多く生息し、それゆえにどの国家も領土として欲してはいない。
 よって中立地帯は無法地帯であるが、狩場として最適なのである。
 しかし、それはいずれの国も同じであり、しばしば他国のギルドと顔を遭わせてしまう事もある。

 アランとレクサスが狩り尽くした狩場を去り、新たな狩場を求めて歩いていた時だった。
 木々の間で身を潜めていたバイサスの者に急襲され、不意をつかれた。
 バイサスの者はおそらく先にこの地へ来ていて、アランたちが来た事を察知したのだろう。
 アラン達は応戦するが既に手持ちの回復ポーションの数に陰りがあり、数の上でも、
 彼ら2人に対し相手は3人という状況で、次第に劣勢となった。
 回復ポーションが尽き、
 背中を合わせたレクサスの「わりぃ」という力のない言葉がアランの後ろから聞こえた時、
 二人の目の前に現れたアルフォンスからマルチが3度だけ放たれた。
 事を終えたアルフォンスが、2人が重度の傷を負っていないことを確かめてから、笑顔で言った。
  
『ダメだろう、アーチャーの方がマルチで戦士よりも威力が高いんだから、君のほうが頑張らなきゃ。
 そっちの彼が敵を引きつけてる間に、素早い動きを駆使しながら一撃必殺のマルチで相手を殺す。
 まぁそっちの彼も、うまく敵を引きつけてはいないようだったけどね。』

 駆けつけたアルフォンスの仲間にアランとレクサスは傷を癒してもらったが、
 その間アランはレクサスを守ることができず彼を傷つけてしまったという自分への悔しさで、
 剣を地面に突きつけた。
 その剣は小刻みに震えていた。
 己の無力さを痛感したレクサスは、その無力さを受け入れるために、ただただ泣いた。
 あたりは静けさを取り戻したが、そこにはレクサスの泣き声が響き渡っていた。
 レクサスのアランに見せる最初で最後の涙を、レッテ山脈がそっと見守った。
 レクサスの涙につられて、空が泣くように、冷たい雨が降り出していた。
 
 こうして装備を作るための材料を採取するため、
 レッテに来たアルフォンスギルドのおかげでアランとレクサスは難を逃れた。
 それからだった。
 レクサスはこの後すぐにアルフォンスに弟子入りし、
『仲間を守るための攻撃力』を身につけまいと必死に修練した。
 アランも『仲間を守るための守備力』を得るために、アルフォンスのギルドへ所属し、
 戦士の戦い方を身をもって経験していった。
  
共に窮地を経験し、這い上がってきた間柄でこそ、
 『確かな』信頼関係が二人の間には築き上げられたのである。


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