記憶と妄想-8
富田は横を向いたまま呟き、片手で美菜子を手招きする。考える前に、美菜子はふらりと傍に寄る。富田が胸の中へ入るように腕を上げたので、美菜子はその胸に身体を擦り寄せた。
「震えてる?怖い?」
肩を抱いた富田が尋ねる。美菜子は小さく首を振る。富田の薄いTシャツは少し汗ばんでいたが、美菜子はそこに頬を付けた。
「すごいね。心臓がドキドキしてるのが、美菜子ちゃんのおっぱいから伝わってくるよ」
髪を撫でる富田の吐息が熱く耳に吹き込んでくる。
「富田さんも、ドキドキしてる」
「美菜子ちゃんのおっぱいがドキドキ言わせてるんだよ・・・あぁぁ、気持ち良すぎる・・・」
富田は美菜子の肩を抱いてジッと動かなくなる。
「富田さん・・・?」
「あ、ああ・・・美菜子ちゃんが嫌じゃなかったら・・・ズボンを、脱がせてくれないか」
美菜子は富田の腹の下に手を下ろし、ベルトをまさぐる。仕組みがいまいち分からず、手こずっていると富田の手が降りてきてベルトをさっとはずして、また美菜子の肩に戻る。美菜子はすぐに富田のウエストに片手を差し込んでボタンを外す。
―ジッ、ジッ・・・
富田の股間は異様に膨れていて思うようにファスナーが下りてくれない。もたもたとファスナーを弄る間も、富田は美菜子の乳房の感触を腹で味わい、美菜子自身も乳房に伝わる感触に自ら膨らみを押し付けていることに気付かずにいた。
「はぁぁ、あぁ・・・」
ファスナーが降りて無事に前を開くと、美菜子が熱い溜め息をこぼす。
「ありがとう」
美菜子の髪を撫でていた富田がズボンをぐいっと尻の下まで剥いた。
「ん・・・」
下腹部にぐんっと押し付けられる堅いモノに美菜子は身震いをしたが、富田は気に留めず、美菜子を身体から剥がしてベッドルームの方に向かせる。
「座って話そうか」
富田に促されて美菜子はソファの前に立つ。富田はズボンから足を抜いていたが、美菜子は富田を見れない。
(すごく熱い・・・)
布越しの富田のモノが熱くて、一瞬触れただけなのに下腹部がじわじわと熱を帯びていく。それに堅くて・・・。
「ベッドに座ってもいい?」
軽く整えたズボンをジャケットの上に置いた富田が、あまり近寄ることもなく美菜子に声を掛ける。
「あ、はい」