「夜店の告白」-3
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終電二本前の電車。私にとってもうおなじみとなったこの時間帯の帰省。いつもだったら高校時代からの友人も一緒に改札を通るはずだったが、今夜は気分がいいからもう一軒寄ってから帰るそうだ。
「俺もお前みたいに、道でばったり恩人に会えればいいが」
そう言い残し友人の顔をした男が眩いネオン街に消えていった頃私は、かれこれ二五年前カラスを拾って育てていた無口な友人を思い出していた。
終