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サンダーみらくる。
【その他 官能小説】

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サンダーみらくる。-1

「え?」
「だから〜…ウチ来いよ。俺、今日部活ないから。」

和泉と芳樹がカレカノになってから早三日。和泉にとっては、初めてのお呼ばれだ。まぁ、家に行くのは初めてではナイのだが…。

和泉はきょとんとした顔で、芳樹をじっと見た。
「な…なんだよ。」
芳樹は照れ隠しに、和泉をコヅく。
「…嬉しい」
和泉は少し照れ、でも素直に喜んだ。そして、芳樹の手にそッと触れる。
「このまま行くでしょ?じゃあ…手、繋いで帰ろうッ」
和泉は芳樹に満面の笑顔を見せる。
「…まぁいいだろう。」
芳樹は和泉の手を握り返した。


―…
「お邪魔しま〜す」
和泉は少し、躊躇しながら芳樹の家に入る。
「誰もいねぇよ。…先に部屋行ってて」
芳樹は苦笑しながら、家の奥の部屋に消えていった。
「だ…れもいないの?二人っきりじゃん…」
和泉は少し頬を赤く染めながら、一度訪れた事のある部屋へ向かった。

―ガチャ
「…変わってない」
和泉の目の前には、三日前と同じ風景が広がっていた。
和泉は床に鞄を置き、ベッドに座る。
「…!」
和泉は何かを閃き、ベッドに倒れこんだ。
「…やっぱり。芳樹の匂いがする〜」
和泉は靴下を脱ぎ捨てて、中に潜り込む。
「芳樹に抱き締められてるみたい〜」
和泉は顔を綻ばせながら、芳樹の匂いを胸一杯吸い込む。
芳樹の匂いは、サムライの匂い。和泉はこの匂いが大好きだった。
「…て!あたし、エロいし!!ベッドに勝手に入っちゃうって、誘ってるみたいじゃない!」
和泉はハッとこの事に気付き、ベッドから飛び起きようとした。
が、時、既に遅し。
芳樹がドアを開けようとドアノブに手を掛けていた。部屋にカチャっという音が響く。
「ヤバッ!」
瞬間的にそう感じた和泉は、ベッドに舞い戻り、堅く目を閉じた。
―ガチャ
「悪い。待たせたな」
芳樹がジュース片手に部屋に入ってきた。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ…!!)
「…和泉?」
和泉の心臓は特急新幹線のごとく走り始める。
芳樹はテーブルにコップを置き、ベッドに腰掛けた。
「おい、和泉?」
(お願い…シカトしてくださいッ)
「…。」
―ぺろッ
「(やッ、何!?)」
和泉の、ベッドから覗いた足の指に、暖かくて湿った感覚が走る。
「(ふぁッ…何かッ変な感じッ…ィ)」
芳樹は和泉の体が震えてる事に気付いていた。
「…和泉、寝てるのか?」
芳樹は意地悪な笑みを浮かべつつ、和泉の指先に舌を這わせ続けた。
「(んッ…あッ)」
和泉は声を出さないように、口をしっかり手で押さえた。
和泉の顔は芳樹に与えられる快楽で、少しづつ赤みを帯びていく。
一方芳樹は、和泉の反応を楽しみつつ、今度は指先を甘噛みした。
「(和泉…なんで寝たふりするんだ?)」
芳樹は首を傾げながらも、和泉を愛撫する事を止めない。
「(そう言えば…和泉は指の間が弱かったよなぁッ)」
芳樹はためらいもせずに、和泉の指の間に舌を這わせた。
「あッ!」
「(やっぱり…。)お目覚めですか?お嬢さん」
和泉は、荒い息と潤んだ瞳で芳樹を見つめる。いや、睨む…と言った方が妥当かもしれない。
「い…じわるッ」
「何の事かな?」
和泉は体を起こし、芳樹は再びその隣に腰を下ろした。
「ベッドに寝てるって事は…襲ってもイイって事でしょ?」
芳樹はいつもの和泉の行動で、次に出るのはパンチだと睨んでいた。瞬時に受け身の態勢を取る。
「…。」
「(あれ…?)」
芳樹はいつになってもパンチがこないので、不思議になって、顔をあげる。
「え…?和泉!?」
そこには、顔を真っ赤にして下を向く、和泉の姿があった。
「…襲われてもイイって思った…」
和泉は視線を動かさずにそう言った。
「あたし…エロいかもしれないんだけど…元の体でも芳樹とエッチしたい…」
芳樹は和泉の思いがけない告白に、目を丸くした。
「…マジ?」
「うん…」
和泉は恥ずかしそうに笑った。
「もう一回『初めて』しよう」
芳樹は少し照れながら答えた。
「一回なんて言うなよ。…何度でも」
そして、キスをした。


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