成り行き-8
「んっン」
自然と舌が絡まる頃には私の腕は亨の首に回っていて、亨の腕は服の下に潜り込んで直に背中を撫でていた。
「はぁっん……んぅ」
唇の隙間からため息混じりの声が漏れる。
息苦しくて顔を反らすも、亨は執拗に追いかけて私の口を犯す。
蠢く舌は唇をなぞり、歯の羅列を確かめ、口腔内を舐め回した。
飲み込みきれない2人の唾液が口の端から溢れて頬を伝う。
「はっ……詩緒姉、エロい」
やっと唇を離した亨が私の頬に伝った液体を親指で拭い、それを口に含んだ。
「はぁ……人の事言えないし……亨もエロいじゃん」
何なのその仕草は?何なのその色気は?
亨って男だったのね……家族みたいに近い存在だったから気づかなかった。
「詩緒姉ちゃんも女だったんだな」
また。
「アハハっやだもう……何で同じ事考えちゃうんだろ」
笑う私につられて亨も笑う。
笑いながらキスをした亨が私の服を捲り上げた。
今更抵抗するハズが無い……私の躰はこんなにも熱く火照って亨を欲しがっているのだから。
素直に上げた私の両手から服が抜き取られ、素肌が空気に晒される。
「寒くない?」
「寒くない、大丈夫」
亨は右手で胸を包みやわやわと揉みながら私の髪を掻き上げ、首筋に顔を埋めた。
「あ……」
ちゅうっと吸い付かれて、その後優しく舐められる。
「んっ……あぁ…はぁん」
ああ……気持ち良い……そういえばご無沙汰してたわ。
「姉ちゃんの声、良いな」
亨は鎖骨や胸の谷間を舐めながら、指で脇腹をなぞる。
「んっ……魅力無いんじゃないの?」
「何で?」
「あン……お風呂場で普通…ぁっ……だったじゃない」
人の全裸を見ておきながら無反応だったくせに。
「ああ……あれ……」
「?」
亨が愛撫を止めて項垂れた。