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若き亀やん、再び!(シリーズ3麻雀編)
【コメディ その他小説】

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ゲーム開始-2

3人が心乱れるまま、支配人の親が始まった。支配人の第一打は『三萬』。

「チー!」

その牌を松原が鳴く。どうやら早上がりを目指してるようやな。

「その調子やまっつん。速攻やぞ速攻!どうせなら速攻でオレに振り込めよ!」

オレは機嫌良く言った。何故ならオレの手も凄く早いんや。これやったらオレが上がれるがな♪それにドラ表示の『筒子』が一杯で手もデカイ!

「アホ、何で亀やんに振り込まなアカンねんな。自分で上がるわい」と松原。

「まあ努力はしなさい!しゃーけどオレの激ヅモをよう見とけよ!コォ―――――!」

機嫌良く引いた牌をガン見した。

「くそ!無駄ヅモや」

オレの第一ツモは『二萬』やった。そのままツモ切り。

「ホンマやホンマ、運の無い亀やんに任せてられるかいな。見てみオレのツモはグッドな引きやがな」

岸和田は自分のツモ牌を見ながら言い、不要牌の『北』を捨てた。

「ポン!」

支配人はオレらの会話をどこ吹く風と言った感じで岸和田の捨てた牌を鳴き、『九萬』を捨てた。『北』は北家の支配人の風牌なので一役になる。また、早そうやんけ。 

「あちゃ―、もうテンパイしたんちゃうけ〜。まだ一巡目やで、何捨ててエエか解らんわ」

松原は悩んだ結果、自分の風の『南』を捨てた。

「ポン!」

再び支配人は鳴いて手を進め、不要牌の『五萬』を捨てた。

「何やそれ!オレワザワザ2枚ある『南』を崩してんでぇ、何かエライことやってんちゃうのん?」

松原はそう言いながら不要になった最後の『南』を捨てた。

「何してるか知らんけど、先にコッチが上がったらええんや!コォ―――!」

今度のオレのツモは激ヅモやった。よっしゃ、テンパイじゃボケ―――!幾ら支配人が鳴いて早かろうが、そんな見え見えの狭まった手に振り込むけ―――!

支配人のこれまでの捨て牌は『三萬』、『九萬』、『五萬』と、『萬子』(まんず:注→絶対に違う発音で読まないでね)が安い。どう見てもこれは大丈夫や!オレは内心の興奮を隠して無駄牌の『六萬』を捨てた。

「ロン!」

「な、なんやて?」

「小喜四子(しょうすうし)役満や(注:48000点)!」

支配人はそう言ってゆっくり手牌を倒した。

「惜しいなあ、『西』やったら大喜四子のダブル役満(注:96000点)やったのに」と、オクレ社長の残念そうに言った。そこには、先に鳴いてさらされいた『北』『北』『北』・『南』『南』『南』と、『東』『東』『東』・『西』『西』・『六萬』『六萬』が有った。

「ゲ――――――!」

こ、こいつは若しかしたらホンモンかもしれへん…

そう思って支配人の顔を見るとビックリすることに、ムチャクチャ苦しそうな顔をしていた。

何やこいつ?ワケ解らんやっちゃで! 


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