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若き亀やん、再び!(シリーズ3麻雀編)
【コメディ その他小説】

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ゲーム開始-1

さあ、ゲーム開始じゃ!いわしたるど――ボケ―――!

完全伏せ牌で洗牌をすると言っても、牌を伏せる一瞬の間に種類を見極めて自分の有利な牌を寄せ集めて山に積み込む。今日みたいな勝負やったらこんなことは常識や。オレも簡単な積み込みをしようとしたところ、どうしたことか、自分が集めようとした牌が直ぐに見当たらんようになっていくんや。

ま、まさか、この気の弱い支配人がそんな早技を?イヤイヤ、気のせいや。こいつは『坊やタツ』とちゃうんやぞ、こんなヤツに負けるかいな!

気を取り直して、オレは勝負に集中することにした。親ならば手堅く連チャンを目指すところなのだが、松原はいつもの様な小市民的な役を目指さずイキナリ大物を狙ってるようや。こいつも気合が入っとるな。

それとは異なりオレの手は遅く無駄ヅモばかりが続く。手堅い岸和田がオレの捨てた八萬をチーと鳴いた。どうやらそれで安手をテンパイしたようやが、岸和田の捨てた七萬を見て支配人が手牌を倒した。

「それや、タンピンドラ2の満貫(注:8000点)や」

こいつ、何を気取っとんねん。さっきの麻雀の時とは大違いやんけ。

「ゲ―!イキナリかいな〜、最初からエラい損や!」

岸和田が嘆く。まあエエ、お前はオレの捨石やからその調子や。  

「クッソ―、エエ手やったのに―!」

松原もが嘆くが下手なんやからしゃーない。

さて、速攻でオレの親になったな。ここから鬼の連チャン街道の始まりじゃ―――!

しかし…。オレの意気込みとは裏腹に、オレの捨て牌を睨みながら対面の支配人が又もや手牌を倒していた。

「ロン!チートイツドラ2」

ア、アカン、オ、オレの連チャン街道がアッサリと…

「うひゃ―!西ちゃんすっご―!」

オクレ社長の甲高い声が頭に響く。

「な、なんちゅう速さや!ま、まだ3巡目やど!」

一体いつの間にテンパイしやがったんや? さすがに次の岸和田の親の時は、さっきみたいに3巡目とはいかなかったが、オレ達がようやく手が整い始めた頃には、

「ツモ!タテチンドラ2、倍満(注:16000点の役)」

また大物手をツモりよった。

「うわお!西ちゃん天才―!」

オクレ社長の興奮はマックスとなった。しかし、オレはそんな声が気にならんほどの衝撃やった。呆れかえって松原と岸和田に目を移すと、2人とも口を開けたままポカーンとしとる。なんちゅうツキなんや、これは止めらんとエライことになるど!

「アカン、完全に支配人さんのペースや!お前ら次の回は何でもエエ、速攻で支配人さんの親を落とせよ、連チャンは絶対阻止じゃ」

「解ってるけど早すぎや!捨て牌見てもテンパイの素振りも有れへんし、安全牌も特定できひんがな」

「やっぱり、オレらトンでもない人と麻雀始めたんちゃうか…」

また岸和田の弱気が出てきよった。

「アホ抜かせ!こんなんただのツキ麻雀や、一発かましたったらシュン太郎になるわいな!勝負事は強気でいかんかい!」

オレは認めへんど!こんなヘタレのオッサンがそんな凄いワケがないやんけ。

「お、おう、そうやな、次こそはオレのモンや…」

「そうやな、とにかく上がらんとな…」

2人は言うが少し歯切れが悪い。

「アホ!もっと気合入れんかい!」

「うほほ!気合で西ちゃんに勝てるかなあ♪」

オクレ社長は上機嫌。ホンマうるさいやっちゃなあ、死ね!



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