二人目の狂人-2
道理で…この頼んない支配人をクビにせえへんかったんは、このオゾマシイ関係が理由やったんかいな…
気っしょ―!メッチャ、気っしょ―――――!ゲンナリするオレの横で、オゾマシイ光景が続く。
「イタタタ、シャ、シャチョ―!ご、誤解です」
西除川支配人は社長のオカマ叩きから身を守るために頭を抱えながら言った。
「何が誤解よっ!キ―――!悔しい―――!」
オイオイ、オクレのオッサン、言葉つきまで変わってきたがな…
「アンタなんかこうしてくれるわよ!」
「ギャ―――――――!!」
突然、部屋中に支配人の絶叫が響いた!
ゲッ――――!こいつ、支配人のナニに噛みつきよった!
「ホゲゲゲゲゲ…」
さらに支配人の言葉にならない声が響く。
うわっ、えげつなっ!アカン!見てるオレのナニまでイタなってきたがな…このホモ痴話げんかでオレが支配人を助ける義理は全く無い。しかし、目の当たりにするこの狂気の光景によって、オレのキン○マまでがキューッと縮まり、ぞわぞわ〜っとなることに我慢が出来なくなってきた。1人の男として。
「社長!止めてください!オレらはここで麻雀をやってただけです」
オレはオクレ社長の行動を止めるために正直に言った。しかし、人の言うことを一切聞かないオクレ社長の耳には、正直者の声は届かなかったようだ。
「ぐぐがあぎゃぐががががが…」
うっわ!支配人のオッサンなんちゅう声出すねんな…、人類ってこんな声が出せるもんなんやな〜。と、オレはしばらく呆気に取られて見ていた。しかし直ぐに正気に戻ると社長の肩を揺さぶった。
「社長!止めなはれ!」
すると当然ながら社長の体も動き頭も動く。必然的に口先の支配人のナニも…
「ぐごごごっごぶごぶぐふごふ…」
あらら、被害拡大…
「こら、オッサン止めんかい!それ以上やったら、こいつのナニが使い物になれへんど!そうなったらオッサンも楽しまれへんようなるんやど!」
オレは思わず怒鳴ったが、自分の発した言葉のオゾマシさに震えがきた。ぶるる…
「えっ?使い物になれへんやて!そら困るがな」
社長はそう言ってようやく支配人のナニから顔を離した。
「ふ〜、社長、イキナリビックリさせんといてくださいよ。見てください、支配人さん白目剥いてまっせ」
こいつを動かすんは欲望を刺激するにかぎるでぇ。欲望によってようやくオレの話に耳を傾けよったがな。
オレが指差す先には泡を吹きながら悶絶している支配人の姿が有った。今回はフリやなくて、ホンマに失神してるようや。ホンマかなんヤツらやでぇ!