世界、繋がるとき-1
葵の翼が輝き、夜中の空にオーロラが煌いた。
その愛しい人たちの名前を声の限り叫ぶ。
「キュリオ・・・!!!
エクシス・・・っ!!
ティーダさまああっ!!!
マダラ様・・・っ・・・・!!!!」
カツン・・・・
「やっと・・・だな」
『・・・我の愛は永遠にお前のものだ・・・アオイ』
「その胸の刻印は俺の愛だ・・・お前も覚えているだろ?」
「そなたならば、きっと乗り越えられると信じていた・・・アオイ・・・もう遠慮はしない。お前の心を奪いに来た」
振り返ると・・・
そこには記憶の奥深くに眠っていた、愛しい4人の王の姿があった・・・・。
「アオイ・・・約束を果たしにきたよ・・・」
涙があふれ、キュリオの胸に葵は飛び込んだ。
優しく頭をなでるその手に記憶が鮮明に蘇ってゆく。
「・・・もう二度と離さない・・・
愛してるよ、アオイ」
キュリオの頬を熱い涙が伝った。
キュリオに抱きしめられながら何も変わらぬ王たちの姿を確認し、心が満たされていくアオイ。
こうして、人界ともうひとつの世界は繋がり・・・民の間では血をすする鬼や、精霊、死の王の存在が知れ渡ることになる。
人界を支えたひとりの少女と、優しく強い異世界の王の物語はこれから始まる・・・・。
―――――――・・・
翼の記憶-外伝-
【翼の記憶】の主人公アオイが人界の王として選ばれ、神官たちと出会い共に苦難へと立ち向かっていた頃の遥か昔の物語。彼女の魂は輪廻・・・例え死しても人界の王という枷が彼女から外れることはない・・・。
連載スタートいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。