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翼の記憶
【ファンタジー 恋愛小説】

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葵とアオイ-1

昼間に聞いた老人の話が気になり、なかなか葵は寝つけずにいた。少し前に聞いた旅人の話も気になる・・・






思い切ってベッドから飛び降りると、月の光に照らされた中庭へと足を運んだ。その一角にある噴水に腰掛け、澄んだ水を覗き込んだ。






「あ・・・・」






自分の羽が水へと落ちて葵の姿を波紋がゆらした。落ち着いた水面には自分だけど・・・自分ではない、もうひとりの私がうつっていた。






(わたし・・・この場面どこかで・・・・・)






羽をすくおうと手を伸ばすと鏡のようにうつった私じゃない私も手を伸ばした。指先が触れて・・・一瞬の間に景色がかわった。






一面花びらが舞うなかで、私の目の前にはもうひとりの私が立っていた。かすかに見覚えのあるドレスをまとって・・・。






「ね、ねぇ・・・っ!!
あなたはもしかして・・・わたし?」






きょとんとしたもうひとりの私は、こう答えた。






「私、アオイだよっ!!
貴方言ったよね・・・絶対忘れないって、忘れたくないって・・・・・!!」






悲痛な面持ちのもうひとりの私は今にも泣きだしそうな表情で私に叫んでいる。






「・・・もしかして・・・
血をすする鬼とか、精霊の・・・・」






「そう、だよ・・・
もっとたくさん、もっと大事な人のことも忘れてる・・・・今でも貴方が思い出してくれるのをずっと・・・待ってる!!!」






「相手の方が覚えてくださっているのなら・・・なぜ会いに来て下さらないの?」






「・・・世界が違うから・・・
この世界の王のあなたが認識していない者たちは、この世界で存在を許されない。だからこの世界に来れないの・・・・」






私が手にしていた羽を彼女はとりあげた。そして、彼女は自身の羽を私へと手渡した。






「私の心が貴方の記憶を呼び覚ましてくれるように・・・愛した人たちをどうか・・・・・・」






花嵐がおきて葵は現実に引き戻された。






手元にある羽が光輝き、葵の体へと吸収されてゆく・・・。






――――・・・・







走馬灯のように次から次へと映像や声が流れて、とめどなく涙があふれた。愛しい声や感触が蘇る・・・・






「私・・・なんてことを・・・・・っ・・・・・」






「キュリオ・・・エクシス・・・・ティーダ様・・・・・マダラ様・・・・・カイ・・・・・みんな・・・」


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