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Childish
【サイコ その他小説】

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Childish-2

・2月13日PM4:25

百合は腰掛けていた椅子からスクッと立ち上がり、自室へ迎う。
自室へ迎う途中、俯せになっている子供を一発蹴飛ばした。
蹴飛ばされた子供は、まるで糸が切れた人形の様にピクリともしない、すでに出血は致死量に達している。
百合はその子供の姿を見て満足気な表情をしている。
自室へ入り押し入れを開ける。上段には布団等が入っている。目的の物は下段にあった。
『ビニールシート』である。
このビニールシートを持って、俯せになっている子供の前で広げる。
俯せになっている子供を横から押し、ビニールシートの上に移動させる。
その際に、俯せになっていた子供は仰向けになり、移動し終えた百合はその、子供の顔をまじまじと見つめていた。
「えいっ」
唐突に百合が子供の顔を右手に拳を作り、上から垂直に殴った。
「ボゴッ」と鈍い音がする。拳は鼻に当り、鼻は無惨にも曲がってしまった。
「あはっあははははは」
止まらない、右手も左手も何回も子供の顔を殴った。拳から伝わってくる頬の柔らかさ、骨の硬さ。全てが心地よい。
子供の顔は無惨なものになった。鼻は曲がり、歯は全て折れ、頬には口内が見わたせる程の穴が開いている。
頬の穴は、途中で持ってきたフォークで刺されそのまま指で押し広げられた。
百合の『遊戯』はその後もやり続けられた。
 最後には子供の眼球は取り出されており、子供の口の中へ入れられた。
常人がこの子供の様子を見たならばすぐに嘔吐するだろう……その子供を百合はニマーッと笑いながら見下ろしていた……


・2月13日pm4:15

心臓の鼓動が激しい。
家に近づくに連れ、吐き気もひどくなってきた。
「……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
俯いて小声で呟く。
足取りは重く、通常15分でつく帰宅路を30分掛けて帰った。
でも…………
やはり、辿り着く場所が在る限り終わりはある。
家のドアのノブを回す。カチャリと音を立ててドアが開いた。靴を脱ぎ、廊下を歩き、リビングを覗き込む。
「あっ……」
座っている。
リビングの椅子に『あいつ』が座っている。
ニヤニヤしながらこちらを見ている。
「あらっ〜お・か・え・り」
『あいつ』を見たまま僕の身体は硬直している。
「コッチニキナサイ」
僕は動けない……『あいつ』は僕に向けて手招きをしている。
「ドウシタノ? サァハヤク」
僕の身体が一歩、後ずさる。
「オイッ!」
ビクッ! と僕の身体は跳ねる。
「ハヤクキナサイ!」
僕は、俯いて『あいつ』の前に歩いていく。
「ソウイイコネ」
『あいつ』はエヘラエヘラと笑っている。
僕があいつの前に辿り着くと……


・2月13日pm4:20

百合は昇太(しょうた)の下腹部を椅子に座ったまま蹴った。
「うっ……」
昇太が下腹部を抑え、その場で膝をつく。
「うふっ」
百合は微笑している。椅子から立ち上がり、昇太の髪を右手で掴み、持ち上げる。
昇太は力無くグッタリしている。
「んふふふっ……」
百合がテーブルの上に置かれている『何かを』手に取った。
刃渡り15センチの包丁である。
昇太はそれを見た瞬間に右手を引き離し、百合に背を向け走り逃げようとする。


包丁は昇太の背中に深々と突き刺さった。


・2月13日pm4:20

どうしたんだろう……背中が痛い……『あいつ』が……包丁で刺したのかな?嗚呼……痛いな死ぬのかな……
『あはははははははっ』
意識が途切れる寸前……『あいつ』……いや、百合の笑い声が聞こえた気がした……
僕は前に倒れた……それが僕の終わりだった……


・2月13日PM5:00

ビニールシートに子供の死体を包み、車のトランクに放り込む。
「バタンッ」とトランクを閉め、百合は運転席に乗り込む。
「…………」
百合の顔は無表情で、さっきまでの笑顔が嘘の用だ。
車のエンジンをかけ、『目的』の場所へと走り始める。
トランクの中では、ビニールシートに包まれた死体が車の揺れに逆らわずユラユラと揺れている……


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