狼さんは心配性。(注意、性描写あり)-6
「あっ、あふ、あ、あああ!!」
重い体の下に組み敷かれ、溺れそうな息継ぎを繰り返す。
強く腰を突き入れられるたびに、小柄なラヴィはバラバラになってしまいそうだった。
真っ赤に充血しくった乳首がシーツに擦れ、そこからもピリピリ痺れる快楽が送り込まれる。
ラヴィを背後から貫いているのは、ふさふさした暗灰色の毛皮を持つ、四足の獣。
人狼は本来、狼の姿で交わるらしい。人容で交わる事も可能だし、ルーディもなるべく人の姿でいるよう努力しているが、たまに変身欲求を抑えられなくなる。
体中にキスされ、甘噛みが激しくなってきたと思ったら、愛しい青年は今夜も狼の姿になっていた。
初めて抱かれている最中に変身された時は、狼の姿を何度も見た後でも驚いた。
けれど、金色がかった琥珀の瞳は、やっぱりルーディのもので、ラヴィへ向けられる愛情もそのままだったから、人でも狼でもかまわないと思った。
……ただ、やはり性交の仕組みは人間と狼では少々異なる。
「あ、は、ぁぁぁ……っ!!」
熱い精液が子宮に激しく流し込まれる。人間ならわずかな時間で終わる射精が、狼の姿でははるかに長い。
前足に押さえつけられたまま、腰が砕けそうになる。
低い獣の唸り声にあわせ、脈打つ性器が射精を続け、ラヴィは何度も達する。
それでもまだ終りではなかった。
挿入された性器の根元が膨らみ、内側が限界まで押し広げられる。
「ひあっ!ああああ!!」
苦しさと、それを上回る性感に、ラヴィの喉から悲鳴交じりの喘ぎがもれた。生理的な涙がぽろぽろ溢れて頬を伝っていく。
すでに十分すぎるほど注ぎ込まれている腹の奥へ、さらに濃くなった液体が噴出されはじめた。
「あっ!あっ!や、あっ!はぁぁっ!!」
苦しさにシーツを握り締めながら、膣奥をびくびく痙攣させる。絶頂と絶頂の間隔が短すぎて、快楽に上り詰めた状態から降りられない。
それがまだ、これから数十分も続くと思うと、気が遠くなりそうだ。
受け入れきれなくなった分が、結合部のわずかな隙間から愛液と混ざって滲み落ちていく。
「ぐる……」
柔らかい大きな舌に、頬をペロリと舐め上げられた。
「はぁんっ」
白く飛びそうになっていた意識が、甘く呼び戻された。
犬の交尾なら見た事があるし、最後は雄が後ろ向きになる独自の体勢になる事も知っている。
けれどルーディは、いつだって最後までラヴィを抱き込むような形のままだ。
これは彼が人狼だからなのか、それともルーディだけなのか、知らない。
けれど、ラヴィを抱く相手は、今もこれからもルーディただ一人。
だから、真相がどうであろうと、やっぱりそんな事もかまわないのだ。