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満月綺想曲(ルナ・リェーナ・カプリチオ)
【ファンタジー 官能小説】

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狼さんは心配性。(注意、性描写あり)-5

 押し倒されたベッドの上で、涙目になりながら精いっぱい非難する。

「いつも、こんな事してるの?」
「そう思う?」
「だって、慣れてる感じだし……」
「誓っても良いけど、実際にやったのはこれが初めてだ」

 おしろいに隠れている頬の傷痕へ、軽く口づけられる。
 すっかり敏感になっている身体が、ビクリと震えた。

「でも、反省してる。もう絶対しない」
「……本当?」
「本当。ものすごく後悔した。やるんじゃなかった」

 真剣な面持ちで告げられる。

「だって、我慢してるラヴィの顔、すごくエロくて可愛い。あんなイイ顔、誰にも見せたくない」
「……」

 呆れて、ものも言えない。
 黙りこくったラヴィを見て、ルーディが小首をかしげる。

「あれ?怒った?」

 きっと、怒ってもいいと思う。
 犬を飼う場合も、イタズラをした時、甘やかしてはダメなんだそうだ。

 でも……

「――今度は、ちゃんと普通の食事に誘って」

 それを聞くと、ラヴィよりずっと年上のはずなのに、ルーディは少年みたいな満面の笑顔を浮べる。
 ラヴィはこれに弱い。
 きっとたいていの事なら、これでほだされて許してしまうだろう。

「約束する」

 小指を絡めて、優しく誓われた。



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