幸運の娘(注意、性描写あり)-5
「じゃぁ、俺の肩を噛んでいいよ」
せっかくの可愛い唇を噛みしめているラヴィに、そう促した。
「でも……」
ためらうラヴィに、「ほら」と促すと、遠慮がちに軽く歯が立てられる。
「もっと強く噛んでも平気だから」
狼は子どもの頃から、じゃれあって互いに噛みつきあう。もちろん甘噛みだが、ラヴィの歯なんか、それに到底およばない。
指を増やしてかき回し、淫猥な水音にルーディも興奮する。
「ん、んぅ!く、くぅ!!」
耳のすぐそばで、ラヴィ切れ切れの喘ぎ声が奏でられる。
肩口へ歯が強く食い込み、かすかな痛みが走った。それにすら煽られる。
「う……ん、んん……」
ピンク色に染まったラヴィの首筋が、目の前に差し出されている。
トクトク血脈が流れているそこに、夢中で吸い付いた。きつく吸い上げ、赤い痣をいくつもつける。
柔らかい皮膚、もろくてか細い身体。
人間の彼女は、人狼とは比べ物にならないほど脆弱だ。
それなのに、あの屋敷でルーディの命を救ったのは、ラヴィだった。
一度目はヴァリオから。二度目は人狼の血から。
こんなにも華奢で可愛らしく内気な性格ながら、彼女はあの場にいた誰よりも強かった。
愛しさが溢れる。
抱きたい。犯したい。喰らい尽くしたい。
全部全部、俺にちょうだい!
「ラヴィ……いれて良い?」
我慢できなくなって強請ると、コクコク可愛らしく頷いてくれた。
先端を押し当て、ゆっくりと押し入れる。
まだ二度目だし、ラヴィの中はとても狭いから、痛いほどギチギチ締め付けてくる。
それでも十分に溢れている愛液が潤滑剤になり、奥へ奥へとルーディを誘い込む。
「っく……ぁ……あ……」
なんとか全部納めても、負担をかけたくなくて、すぐには動かずラヴィの身体から強張りを解くことに専念した。
頬に、額に、何度も口付けていくと、次第に組み敷いた体から緊張が解けて、内部も柔らかく蠢き出す。
「あ、あ、あ……るーでぃ……ぃ」
甘い吐息を零しながら、切なくラヴィが喘ぐ。
この声をあげさせるのが俺だけだと思うと、たまらなく興奮する。
その頃には、ルーディも我慢の限界で、額に汗が滲んでいた。
今にも切れてしまいそうな自制をギリギリで保ちながら、ゆっくり動き始める。
「あ、あ、ああっ!」
快楽に泣き叫ぶラヴィの声は、初日にここで聞いたものよりも、断然甘く幸せに満ちている。
細腰が妖艶にゆらめき、内部も妖しくうごめく。シーツに散らばった艶やかな黒髪も、たまらなく綺麗だ。
「あああっ!あ……きもちいい……あ……るーでぃ……」
うわごとのようにラヴィが訴え、しなやかな足が腰に絡みつく。
無自覚に誘惑を振りまく『つがい』を抱きしめ、ありったけの愛を込めて口づけた。
夢中で貪ったその唇も、あの時よりも数段美味しい。
お互いに満たされているからこそ、きっとこんなにも美味しいのだ。
欲情に溺れそうな中で、そんな考えが脳裏を横切る。
「ふぁぁぁんっ!!」
唇が外れ、喉をそらしてラヴィがひときわ高い声をあげた。
激しく内壁が痙攣し、ルーディに与えられる快楽がいっそう増す。気持ちよすぎて目が眩んだ。
低く呻き、痙攣を繰り返す奥に精液を注ぎ込む。
今まで抱いたどんな人間の女とだって、こんなに気持ちよくはなかった。人狼の女とだって、これほどの満足感は得られないだろう。
ラヴィだけだ。ルーディもまた、ラヴィだけの雄だ。
「っあ……ぁ……」
荒い息をついているラヴィに、軽く口付けた。
本当は、このままもっと何度でも抱きたいが、それはもう少し後にしたほうがいいだろう。
狂おしいほど、ラヴィを愛してる。四六時中、いつだってラヴィに飢えている。
けれど、彼女はその飢えを満たしてくれるのを知っているから、ルーディの心は荒れ狂わない。
「ルーディ?」
ニヤニヤ笑って自分を見つめているルーディに、ラヴィが小首をかしげた。
ああ、やっぱり俺のつがいは世界一。