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汚れた教室 〜教室長マヤの日常〜
【レイプ 官能小説】

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真夜中の告白-4

「すみません、あの……」

 頼りない声と共に顔をのぞかせたのは、さっき帰ったはずの久保田だった。マヤは慌てて起き上り、反射的に両腕で胸を隠した。

「く、久保田くん……どうして? 帰ったんじゃなかったの?」

「……えっ!? 先生、それ、どうしたんですか!?」

 久保田は驚いた顔でマヤに駆け寄り、自分の着ていたジャケットを脱いでマヤの体を隠すように被せた。うっすらと汗の匂いがするそれは暖かくマヤを包み込み、涙腺を刺激した。涙を見せないように顔を背ける。

「ま、まさか、さっきの社長に……? いや、あの、さっき帰る前に、先生がすごく不安そうな顔してたから気になって……すみません、なんか、僕……」

「……いいの。これは、わたしの問題なの。放っておいて」

「えっ、でも……」

「放っておいてって言ってるでしょう!? ねえ、こんなところ誰にも見られたくなんか無いのよ、それくらいわからないの?」

「す、すみません、すみません……」

 久保田のほうに視線を戻すと、彼はいかにも申し訳なさそうに床に正座して顔を伏せていた。大きな厚みのある肩が小刻みに震えている。きっと、本当にどうしていいのかわからないのだろう。マヤは立ち上がり、涙を拭ってできるだけ優しい声を出した。ちょうど、小学生にでも語りかけるように。

「こちらこそ、ごめんね。こんな格好見られて、ちょっと焦っちゃったのよ……久保田くんが悪い訳じゃないわ。ねえ、あれからずっと外で待っていたの? 寒かったでしょう?」

 顔を伏せたままで久保田が小さな声で答える。

「いえ、あの、隣のコンビニで雑誌とか読みながら……それで、社長が出て行くのが見えたから、まだ先生がいるんだったらお腹すいてるかなって思ったんで……」

 おずおずとコンビニのマークが入った白い袋を持ち上げ、マヤに差し出した。中には缶コーヒーに肉まん、惣菜パン、プリンなどが無造作に詰め込まれていた。薄紙に包まれた肉まんからいい匂いが漂ってくる。こわばっていた顔の筋肉が緩む。場違いな笑いがこみ上げてくる。

「ふふ、こんなにたくさん? 真夜中にこんなに食べたら太っちゃうじゃない」

「いえ、これは、その……僕も一緒に食べようかな、なんて……」

「わかった、一緒に食べようか。ありがとう。でもその前に着替えるから、ちょっとだけ待っていて」

「は、はい! すみません、ほんと、僕……」

 今度は耳まで赤くなった久保田をその場に残し、マヤはスタッフ用のロッカールームで予備のTシャツとスーツに着替えた。破れたシャツとスカートをロッカーの棚に投げ込み、鏡で涙の跡を丁寧に拭いて軽くファンデーションをはたいた。

 マヤが着替えを済ませて戻ってきても、まだ久保田は同じ正座した姿勢のままで固まっていた。なんて不器用で、真面目な子。今度は満面の笑顔で久保田の顔をのぞきこんだ。


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