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サキュバスの下僕
【ファンタジー 官能小説】

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1話-2

■目覚めと新しい自分

満ち足りた睡眠の後のように、スッキリと目が覚める。

「変な夢を見た…」とぼやきながら体を起こすと、
目の前に人形サイズの羽の生えた少女が浮いている。

「んぁあ? なんだ、まだ夢の続きか…。 あだっ!!」

もう一度横になろうとしたオレの額に、少女の蹴りが入る。

「何、寝ぼけてるのよ! さっさと目を覚ましなさい!」

「ゆっ! 夢じゃない!!」

涙目で額をさする。

はっとして周りを見回すと、俺はベッドで寝ていたはずが、硬いコンクリートの上にいた。
空には大きな満月と輝く星々が見える。
遠くに見える景色から察するに、ここは高層ビルの屋上だ
という事がわかった。

なんでこんな所で寝ているんだ…。

思い出せ! 何があった!?

俺は頭を抱えて必死に記憶を手繰り寄せようとする。



「あんた、さっきの契約を夢オチで終わらせるつもりじゃ
ないでしょうね?
もう契約されたんだからクーリングオフも利かないわよ。」

「けい…やく?」

その瞬間、夢の中での出来事がハッキリと思い出された。

「すでにあなたは生まれ変わった後なんだから、ほら。」

ジト目で文句を言う人形は、どこから出したのか手鏡を持って俺の姿を映して見せる。

「うううっ! うっ、嘘ぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」

「嘘じゃないわ」

目の前には、いつも見慣れているヒョロヒョロにやせた貧相な顔と体ではなく、
ガッチリといい感じの細マッチョの男がいた。



「マジでぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」

「マジでよ」

わかってはいるが聞かずにはいられない。

「この青い人は誰?」

「あなたよ。以前のあなたとは別人みたいになってるけど。」

顔を手でペタペタと触ってみたり、こすってみたりする。
絵の具などで塗ったのであれば、取れたりしないかと思ったからだ。

「いや、別人どうこう以前に、体が青いんですけど・・・。」

「魔法による人体改造手術で、半魔族になった副作用ね。」

「そんなバカな〜…。」

「人間でもなく悪魔でもない。さしずめ、【魔人】ってとこかしらね。」

ガックリ肩を落とす俺に、悪魔のような笑顔でささやいた。

「それが、あなたが選択した結果よ。」

俺は、人生最大の選択ミスをしたのかもしれない…。


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