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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼・其のニ〉-4

『今日の先生エロくない?』

『私が男だったら我慢出来ないよ』

『何よ我慢て?ホテル直行しちゃうの?』


高校生ともなれば、性の知識はそれなりにはあるものだ。
それに女子だけともなれば、多少は破廉恥な台詞を屈託なく笑えるだろう。
幹恵も怒りはしなかったし、三人娘も遠慮など忘れてしまっていた。


『あ、先生…私ケータイ忘れてきちゃった。家まで戻っていい?』


幹恵の真後ろに座った梨央が、持っていたバッグの中をまさぐりながら素っ頓狂な声をあげた。
忘れ物をした梨央を笑いながら、車は方向を変えて街中から逸れ、閑散とした場所へと入って行った。


『ちょっとぉ、梨央の家って田舎臭いトコに建ってんのね』

『キャー言わないで。恥ずかしいから』


ふざけて喋る梨央の指示に従う幹恵……立ち並ぶ家の間隔は広くなり、遂には道路が砂利道になった……どうも可笑しいと訝しがる幹恵の後ろから、梨央が呟いた。


『……先生ってさ、琢也と付き合ってんだよね?』

『!!!!』


いきなりの台詞に幹恵は固まり、ルームミラー越しに梨央に視線を送った……不機嫌で据わった目が、幹恵の眼球に突き刺さってきた……と、右の頬に冷たい感覚が生まれ、視線をそこに向けると、濡れたように光る刃物のような物が見えた……。


『下手に動いたら斬れるから。新品のカッターだから良く斬れるよ?』

(!!!!)


見れば乃ノ花も美加子もカッターナイフを持ち、幹恵に向けて突き出している……態度の一変した三人娘に幹恵は言葉を失い、先程までの笑顔は消え失せていた。


『友がオシャレした先生を見たって言うからさ…どんな彼氏かって興味が沸いちゃってさぁ……』

『私の彼氏、車持ってるからさ、先生の車を尾行したのワケよ。そしたら琢也と……ショッピングした後は毎回ホテルに入るわよねぇ?』

「……ッ!!!」


友の何気ない一言で、教師と生徒の密会は暴かれ、三人娘の逆鱗に触れてしまっていた……周囲に民家は無くなり、笹やぶと雑木林しか視界には入らなくなった……幹恵の唇は微かに震えだし、瞳には僅かながら焦りの色が見えはじめていた。


「……ご、ごめんなさい…でも、最初に告白したのは琢也からよ?あんまり必死に言われるから……」


幹恵はその場しのぎの嘘をつき、この場を逃れようとした。
嘘でも何でも三人娘を宥めて逃れ、その後は三人まとめて潰してしまえばいい……幹恵の焦りは三人娘に対してというより、そいつらの口から琢也との関係が皆にバレる事への焦りだった。



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