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お日様ジャッジ
【その他 官能小説】

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-2

 暫くして友達の朝陽と陽太が付き合う事になったと聞いた。
 朝陽と陽太はお似合いだと思う。
 名前の通り、太陽みたいな2人……夜の私はただ2人を見ているだけの存在……決して同じ場所に居られない。
 分かってはいても失恋の痛みは中々癒えず、思わずため息が出る。

 その日も中庭で寛ぐ2人が見えた。
 そして、私と同じ切ない視線を2人に注ぐ夕也も。
 失恋2人組でやけ酒もいいかも?と思い、話かけたら、やけ喰い、やけ酒、やけセックスとフルコースでお互いを慰め合う事になった……それが、再び悩みの種になるとは……その時の私は思いもしていなかった。



「夕ちゃん?」

「…………」

「夕」

「何?」

 あれから夕也は「夕」と呼ばないと返事をしてくれない。
 他に人が居る時は「夕ちゃん」でも返事をくれるのに、2人の時には絶対に「夕」なのだ。

「最近出来たイタリアンのお店知ってる?」

「ああ、駅前の?」

「行った事ある?」

「美夜と行きたいからまだ行ってない」

 彼のセリフに思わず赤面する。
 また、いつものパターンだ……ちょっと優しくされると直ぐに好きになってしまう。
 陽太に捨てられて2度と恋愛なんかしないって思ってたのに……思いと想いは別物なんだと実感する。

「いつ行く?」

 夕也が眼鏡を外して私に聞いてくる。
 その仕草が妙に色っぽく見えて、益々赤面した。

「ん〜っと……今から?」

 我が儘かな?と思いつつも聞いてみると、夕也は優しく笑って答える。

「僕もそう思ってた」

 にっこり爽やか笑顔にクラクラする。
 でも、私は知ってる……これは彼の仮面で、セックスの時は無茶苦茶攻め(責め?)に入るサドだって事を。
 朝陽に言わせれば『陰険サド男』なんだそうだ。
 私もぴったりだと思う。
 ただ、問題は夕也が失恋セックス以降、私にそれを求めない事だ。
 今までのパターンで行くと、お付き合い前にセックスしてしまったらそのままなし崩しにセフレだったのだが……。
 彼的に私の躰はダメだったのだろうか?私的には、物凄く気持ち良くて最高に蕩ける理想のセックスだったのに。
 だからと言って私を避ける事無く、むしろデートに誘ったり、こまめにメールしてきたり、まるで恋人のように扱ってくる。
 ただ、セックスが無いだけ……失恋した私を慰めているだけなのかどうなのか……彼の真意が分からない。

 好き……夕也が好き。

 言いたいのに言えない。
 失恋を繰り返してきた私は臆病になってしまったみたい。



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