夕-5
「ふふふ、夕ちゃんって優しい♪」
「嘘じゃないよ?美夜は可愛い」
僕は上に乗ってる美夜の腰と頭に手を回して、少し荒めに引き寄せた。
「あ」
驚く美夜の唇を奪い、体を捻って美夜を組み敷く。
いつも付けてるキツイ香水も消えて、美夜の甘い体臭が鼻をくすぐる。
陽太に振り向いて欲しくて、飾りたてていたのが全て裏目に出ていたみたいだ。
だって、こんなに……こんなに可愛いのに。
「美夜が考え直して止めるって言ったら止めるつもりだったけど……」
「けど?」
美夜が誘うように僕の頬に触れて、僕の理性が音をたててキレた。
「もう、無理」
湿った髪を掻き上げ、露になったこめかみにキスする。
そのまま額も、小ぶりな鼻のてっぺんも、ふっくらとした頬も……そして、ぷっくりとした唇も。
「んっんぅ」
唇から漏れる甘い声にゾクゾクする。
僕は夢中になって美夜の口を貪り続けた。
「はん…んくんん」
僕のキスにいちいち反応する様が堪らない……陽太はこの子の躰も心までも手にしていたのに……本当になんて馬鹿な男だ。
「ぁんっ」
やっと少し落ち着いた所で唇を離す。
美夜はとろんと蕩けて益々可愛い。
ああ……どうやら、陽太から離れた僕の心は美夜に捕まっちゃったみたいだ。
「夕ちゃん?」
優しく髪を撫でて額を合わせる僕に、美夜は不思議な顔をする。
「何でもないよ」
何だか照れ臭くて目を閉じた。
失恋したばかりなのに何を考えてんだか……自分で呆れてしまう。
「どうしたの〜?何か子供みたい」
クスクス笑う美夜の額にチュッとキスした僕は、彼女の手を取って自分の股間を触らせた。
「子供はこんな事にはならないよ?」
「やん……夕ちゃんの硬〜い」
嬉しそうにバスローブの隙間から直接撫でてくる美夜。
「陽太のとは違うでしょ?」
バスローブの紐を解いて、お返しに胸を揉むと可愛い口から息が漏れる。