龍の祝福-8
「おい、もう、そろそろ……」
「あら、もう出そうなの? フフ、もう少し、あなたの苦しそうな顔が見たかったのに」
この女は一体何なのか。俺も色々な女と寝てはきたが、こんな女は初めてだった。
関わってはいけないような危険な香りに満ちていて、なのに近寄っていってしまうような。
「ねぇ、ユウジ君、シャツ、脱がせてくれる?」
着ているシャツは俺のものでブカブカだったが、既にボタンは外されていた。
妖しげな表情のまま、俺を試すように見つめるショウコを訝しく思いながら、俺は彼女の言うことを聞いた。ここまできて、もう後に引けるはずもない。
手で肩からシャツを外すと、ハラリとショウコの白い体から布地がこぼれ落ちた。
そして、俺の目は、彼女の背中に見えるものに注がれた。
これは――白い肌に、鮮やかな緑色の龍が彫られている。
その尾が右の腰に伸び、左肩から天まで昇っていくような、そんな見事な図柄だった。
「お前……」
「フフフ、何よ、ユウジ君、もしかしてビビっちゃったの?」
ショウコの目線が、俺の何かを確かめるように、ただ見つめている。
彼女は……おそらく、ヤクザの情婦だ。それも、かなりランクの高いヤクザの、である。
ショウコが漂わせる威圧感は、この彫り物に由来しているのだろうか。
「そんなの背中に背負ってて、何で俺なんかに付き合う?」
「あたしだって、男が欲しくなることもあるわ」
「お前には、飼い主がいるんだろう?」
「飼い主とは失礼ねェ。フフ、あたしのご主人様は、寛容だから。滅多に会えないしね。それより、最初に言ったでしょう?」
「何を?」
「するなら、イカせなさいって」
ショウコはゆっくり立ち上がって、色気のないトランクスを脱いで、俺の前に立った。
均整のとれた、白く美しい体だ。足を軽く広げて、股間を俺の顔の前に近づけている。
彼女の股間には陰毛がない。
剃りあげてしまっているようで、くすんだ赤い肉がそのままさらけ出されている。
「ほらァ、あたしも、あなたのチンポ、口でしてあげたでしょう? こういうのは、ギブアンドテイクなのよ」
ショウコは自分の肉を左右に広げて俺の前に差し出した。
ゴクリと唾を飲み込んだ。濃厚なピンク色の粘膜がテラテラと濡れ光っている。
ショウコは少し息を荒げて、腰をゆらゆらと揺らめかせている。
俺はそのショウコの腰に吸い寄せられるように、顔を彼女の股間に近づけた。
甘酸っぱいメスの臭い。そのフェロモンを巻き散らす中心部に俺は唇をつけた。