レクチャー-1
「きゃあっ!」
露わになったレースのブラジャーに、あたしは甲高い悲鳴を上げた。
どんな卑猥な下ネタで盛り上がっていても、陽介も広瀬もあたしに指一本触れてこなかったから、今されている状況がとても信じられなかった。
広瀬は広瀬で、ポカンと口をあけたまま固まっていた。
「アッチの方も羽衣にレクチャーしてもらえよ。女の身体のことは女に聞くのが一番だろ?」
陽介はそう言って、慣れた手つきであたしのブラジャーのホックを外した。
「ちょっと、陽介! 悪ふざけもいい加減に……」
振り返って睨みつけるあたしのことなどお構いなしに、今度は、あたしにキスをしてきた。
煙草と発泡酒の混ざり合った味が口の中に入ってくる。
ヒンヤリした舌がまるでナメクジのようにあたしの口の中を這いずりまわった。
「んっ……」
思わず声を漏らしてしまう。
陽介はさらにブラジャーまでもたくしあげ、あたしの胸を剥き出しにするとその先端を円を描くように優しくこすり出した。
「やっ……」
熱いキスとは裏腹の、優しい愛撫に身体がくねる。
前の彼氏と別れて半年は経つ。
専ら性欲処理は自分の指だけに頼っていたあたしは、久しぶりに男に触られた快感で、早くも脚の間がジンジンうずき始めていた。
陽介はそれをわかっていたかのように、今度はわざと広瀬に見せつけるようにあたしの脚を広げさせた。
そして――。
「ほら、広瀬。見て見ろよ、これが本物だぞ」
陽介はそう言って、あたしのショーツをずらして中身を剥き出しにした。
「やあっ! 陽介、やめて! 広瀬っ見ないで……!」
陽介は必死で抵抗するあたしをお構いなしに仰向けに寝かす。
広瀬は生唾をゴクリと飲み込んであたしの脚の間に視線を集中させた。
陽介はあたしのショーツを一気に剥ぎ取り、膝の裏を掴むとそれをさらに思いっきり左右に割り開く。
「羽衣のここ、触ってねえのにもう濡れてんな」
陽介が意地悪くククッと笑った。
……恥ずかしい。
こんなに煌々と明るい部屋の下で、なんで友達にこんな恥ずかしいとこ見せられなきゃいけないの?
あたしは気付けば涙を流しながら陽介を睨みつけていた。