気付けば異世界-1
――――なんか、やたらと下半身が気持ちいい。
「旦那さま。これで宜しいですか?」
褐色の美少女が、足の間にひざまづき、大きな胸で俺のモノを挟みこんでいた。
「んなっ!!??な、何―――っ!!!??」
確かに俺は、部屋で寝てたはずなのに……いやまぁ、今も寝そべってる事には変わりない。
ただ、部屋は見慣れた四畳半の古アパートではなく、紫の天蓋カーテンを引いた豪華な寝台だ。
なにより少女は、アーシャだった。
「ほ…本当に……アーシャ?」
「え……?はい」
―――なんだ。ただの夢か。
そういえばこの部屋は、最終的に落としたヒロインと結婚し、初夜を迎えるイベントシーンの背景にそっくりだ。
そして、その裸エプロンと黒ストッキングも、ラストイベントのお約束だった。
表面は正義感溢れる青年勇者の主人公だが、実はただのドスケベ男だ。
魔王に楯突いたのも、
『国中の美少女をさらってハーレムだと!?なんと羨ましい!!けしからーーん!!』
が、きっかけで、あとはまぁ色々とあって後に引けなくなっただけだったりする。
アーシャは真面目で純情だから、あっさり騙されてたけど……。
まぁ、そんな事はさておき……ふぅん。夢なら夢で、楽しまないのは損だよな。
えーと、あのスケベ主人公は、なんて言ってたっけ……?
「それじゃ……初夜のレクチャーをするからね」
……スケベの上にアホだったな。アイツ。
「はい。旦那さま」
ニッコリと微笑み、アーシャが素直に頷く。
確か、まだ処女のはずだ。
生涯を捧げる人との初夜まで純潔を守るという彼女は、あの女ったらし勇者でさえ、最後までは手出しできなかったんだから。
「ふつつか者ですが、宜しくご指導くださいませ」
くあぁっ!こんな嫁を貰いやがって!!!
勇者め、なんと羨ましい!!!
けしからぁぁーーーーんっ!!!
さて、質問。
気づいたら異世界で、嫁と初夜だった。
しかもその嫁は、メチャクチャ好みだった。
さぁ、どうする?
そのまま続行に決まってるだろ!!