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気づいたら異世界で、嫁と初夜だった。
【ファンタジー 官能小説】

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気付けば……-1

 そして…

 糸の切れた操り人形のように、ガクンとアーシャが気を失った直後だった。
 いきなり、大きな鳥の羽音が部屋に飛び込んで来た。
 厚い天蓋カーテンの向こうに、翼を生やした女のシルエットが写る。

「お帰りなさいませ。魔王さま」
「はぁ!?」

 ふと見ると、俺の身体は赤黒い皮膚をしたゴツイ肉体に変化していた。

え!?ちょ…っ!今度は魔王!?さすが夢だ。すげぇ展開になって――。


「あ」


――――思い出した。

 そうだ。俺は、魔王だった。

 ちょっと油断したせいで、あのドスケベアホ勇者に、異世界まで吹っ飛ばされてたんだっけ。
 俺がリアルだと思っていたあの日常、あっちの方こそが異界だった。

「さすが魔王さまですわ!ご無事だったばかりか、勇者の女まで篭絡するとは!」

 シルエットの女が、感嘆の声をあげる。
 天蓋カーテンを勢いよくあけると、懐かしい俺の部下が、妖艶な笑みを浮べて立っていた。

「わははっ!そうだろそうだろ!!俺があれくらいで死ぬもんか!!!」

 実を言えば、戻れたのは偶然だったが、結果的に戻れたんだから、これもまぁ実力のうちだな!うん!!

「さぁ、城の修復は澄んでおります。魔王さまのご帰還を、首を長くしてお待ちしておりました。」

 そして部下は、死んだように眠りこけているアーシャを、ジロリと睨んだ。

「さて、この女はどうしてくれましょうか。こま切れに刻んで獣のエサにでも……」
「わーーーっ!!待て待て!!」

 実は、アーシャは俺の初恋の相手だったりする。

 あんまりおもいだしたくないが、俺はガキの頃、“もやしっ子”なんてアレなレベルの名称でイジメられてた。
 そんある日、アーシャと出会って……まぁ、色々とあったんだよ!
 魔王になって、すっかり逞しく面変わりしていた俺に、アーシャも勇者も(こいつはタチの悪いイジめっ子だった。)気づかなかったらしい。

――しかし、それを話せば、怪訝な顔で俺を見ている部下に、もやしっ子の過去までバレてしまう…!!


 さて、もう一度質問だ。
 気づいたら異世界で、勇者の嫁と初夜だった。
 しかもその嫁は、メチャクチャ好みでエロ可愛かった。そして自分は魔王だった。
 さぁ、どうする?
 
 そのままお持ち帰りに決まってるだろ!!


「えーと……こいつは……そう、人質だ!!」
「なるほど!勇者と再戦の折に、備えるのですね!」

 冷や汗いっぱいの俺に気づかず、部下はうっとり叫ぶ。
 はぁ…あいかわらず、単純なヤツだ。
 そんなだから、勇者に騙された挙句、犯られてヒーヒー言ってたりするんだよ……。

「そうそう!だから、城に連れてくが、丁寧に客人扱いしろよ」

 アーシャは驚くだろうが、ゆっくり口説けばいい。
 異世界で散々ラノベを読んで、恋愛に関しちゃバッチリだ!
…あっちの世界で、彼女いない暦=年齢だったのは、ありゃなんかの間違いだから、気にしない。

 さぁ、これからは俺とアーシャのバラ色の日々!!
 ついでに世界征服もできれば、なおのことよし。

 アーシャにマゾっ気がある事も判明したし、あの様子じゃきっと、最初は恥ずかしいといいつつ、興に乗ってくるとあっというまに乱れるっていう黄金パターンの性格だろう。
 うん、まさしく俺の好みそのもの!
 
 ハーッハッハッハ!!ざまぁみろ勇者!
 俺を異世界にふっ飛ばしたくらいで、いい気になりやがって。
 アーシャは俺の嫁なんだよ!!!


 俺が戻れたって事は、呪いが跳ね返って、今度は勇者の方があっちの世界に飛ばされているはずだ。
 今頃、さぞかし驚いてるか、俺みたいに全ての記憶を失くして、呑気に一般人やってるかもしれない。

 しぶといヤツだから、また舞い戻ってくる可能性はあるが、そうなったら今度こそ叩き潰す!
 特に、アーシャだけは渡さないからな!!


 ゲームに没頭して、気付けば日曜の真夜中。
 そのまま寝オチで、気付けば異世界で嫁と初夜。 
 エロい嫁を堪能し、気付けば魔王。

 こうなりゃ、次に目指すのは決まってる。


 『気付けば嫁に愛されまくって幸せの絶頂』だ!


 とりあえず世界征服は、その後で考えよう。




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