画面の中の恋人-4
すると5分も経たないうちにピピッ、と電子音がして名無男から返信メッセージが届いた。あまりの早さにびっくりすると同時に、とりあえず返事をもらえたことに安堵のため息を漏らす。
『ミコさんへ。 初めてのメッセージ、とても嬉しく思います。今日はもう遅いので、明日ゆっくりお返事を書かせていただきます。取り急ぎお礼まで。 名無男』
胸の中にふんわりとした照れくささのような感情が広がる。
メッセージ、嬉しかった、だって。明日またお返事くれるんだって。
早くも翌日届く名無男のメッセージを期待しながら、乃理子はその短い返信文を何度も何度も読み返した。