画面の中の恋人-17 そして誕生日。もう、今日のデートから帰ったら翌日には家を出て行くつもりだった。ほとんどの荷物は段ボールに詰め終わっている。別に名無男に頼る気持ちは無かったので、しばらくは地元の関西でもう一度自分を見つめ直そうと思っていた。家のローンもほとんど終わっているし、特に財産分与や何かを請求するつもりはない。 予定通りテーブルの上に離婚届を広げて置き、がらんとした自分の部屋をもう一度眺めてから乃理子はドアを閉めた。