認識-1
「待て、話が極端すぎる。
そなたがどうしたいか、ではない。それでは解決にならぬ」
冷静なマダラは頭の回転がはやい。エクシスやティーダはアオイに対して私情が絡むため、まともな判断が難しいのは重々承知だ。
(何か見落としていることはないか・・・?
アオイと呼ばれる娘がなぜこの世界に転生してきたか・・・これは本人の意志でも誰の力によるものでもないだろう。それこそ神の気まぐれか・・・)
何かに気が付いたようにマダラが顔を上げる。
「エデン、そなた人界に足を踏み入れることが可能なのだろう?雷帝として知られていると聞いたが・・・事の始まりはなんだ?」
はっとしたようにエクシスとティーダがエデンを見つめた。
「俺は即位したら人界の王に会いに行けと先代に言われていたからな」
「なぜ行き来できるのかまでは知らぬか・・・」
「いや、確信はないが・・・
人界ではいくつか崇高な神がいると信じられているんだ」
「その中のひとつに雷神ってのがいるらしい。人界にも雷は存在してるからな。雷を司る俺がそれに似せて雷帝と呼ばれている」
(認識されているがゆえに・・・向こうの世界でも存在が可能・・・異世界への回路が・・・)
何かをつかみかけているマダラは懸命に考えを巡らせていたため、悠久の領域へ入っていたことを忘れていた。
「もうすぐ着くぞ」
ティーダの声に前を見据えると・・・
美しい大地と悠久の城が見えてきた。
横を見るとティーダは複雑な色を浮かべ、エデンは神妙な面持ちをしている。・・・エクシスは無表情だ。
(さて・・・キュリオ殿はどう出るか・・・
)
五大国の王と異世界の王が顔を揃えるなど前代未聞の出来事に、マダラは不思議な巡り合わせを感じていた・・・。