朝-2
「あ、だよな。興味無いなら丁度良いじゃん?」
「何が丁度良いのよ?!」
「だって、大抵の女の子は僕か陽太か選ぶけど、朝陽はどっちもどうでもいいんだろ?これほど公平な審判は居ないよね?」
「……つまり、何?あんたら2人とヤッてどっちが気持ち良かったか判定を下せと?」
私の言葉に2人は目を輝かせてコクコク頷く。
うわあ、こんな時だけ表情がそっくり。
つうか、ヤバい……コイツら目がマジだ。
「馬っ鹿じゃないの?私、帰る」
荷物を持って急いで帰ろうとしたが、遅かった。
「逃がすかぁっ!」
グワシッ
「ふぎゃっ!」
陽太にタックルされて呆気なく床に倒される。
「やめてよっ!正気じゃないわ」
「うん。大分酔ってるしね」
夕也は着けていたお洒落ネクタイをシュルッと外すと、涼しい顔で私の両手を縛り始める。
「ちょっ……嘘つけ!絶対酔ってないでしょ?!」
「酔ってる酔ってる。じゃなきゃ女の子を縛るなんてとてもじゃないけど出来ないよ」
手慣れた様子で私の両手を縛り上げた夕也は、爽やかな笑顔を見せやがった。
「やめてやめて!変態双子!」
「失礼な……気持ち良くしてやるのに」
陽太は私の腰に抱きついたままお腹辺りに顔を埋める。
「それに、朝陽、今彼氏居ないだろ?女性は定期的にオーガズムを感じていないとホルモンバランスが崩れるらしいよ?」
「平たく言えば渇れるってこった。俺らで潤してやるよ」
「余計なお世話よ!離して!」
「うるさい口だな……ちょっと黙っとけ」
今度は陽太がハンカチを取り出して私の口を塞ぐ。
「んぐう?!むむうっ!!」
「よし」
「それじゃあ」
「「いただきます」」
声を揃えて合掌し、頭を下げる双子。
そんなワケで冒頭に繋がる。