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ハニービー
【コメディ 官能小説】

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ハニービー-6

 ハナが普通に俺の背中を洗い始めた。
 こういうのって、何かテクニカルな洗い方をしてくれる事を期待するのだが、ハナは銭湯の三助よろしくゴシゴシ擦り続ける。こんなものなのかしら。
 もはや何か言う気も起こらず、俺は少々あきらめかけている。

「ねぇ、何を落ち込んでるのか知らないけど、元気出しなよ? ん?」
「はぁ……今日で色々と気持ち切り替えようと、思ってたんだけどな」
「切り替えるって、何? 彼女にでも振られてしまったの?」
「…………」
「あれ、もしかして図星なの。でも、そういうのってよくあることじゃない」

 確かに、世間では恋愛が上手くいかないなんてのは、よくあることに違いない。
 彼女と別れてから、もう一月以上経つ。
 一年ほど付き合ったが、ついに彼女と肉体関係を持つことは無かった。
 その事自体を悔いているつもりはない。
 俺なりに丁寧な付き合い方をしているつもりだったが、どうもそう理解されなかった事に悔いが残った。
 俺は、彼女から臆病者と思われたのだ。
 確かにそうなのかもしれない。
 男とはいえ、勇気を出してセックスに誘った挙句に断られるのは辛いものがある。
 俺は断られる怖さから逃げて、それを見透かされたのかもしれない。
 
 ついでに言うと、童貞である。
 今回ハナと出会うに至ったきっかけは、そこから脱出する為でもあった。
 さっさと経験してしまえば、そういう臆病さから抜け出せるのではないかと考えたのだ。
 そして、新たな恋愛を、などと思っていたのだが……

「もう、そんなに落ち込んでしょうがないわねェ……ねぇ、こっち向いたら駄目よ」
「えっ?」

 ハナが、俺の背中に抱きついてきた。
 温かくて、柔らかな感触が背中に伝わってくる。
 背中には、ハナの小ぶりな双丘の感触があった。いつの間にか、ビキニを外している。

「えっ、あの」
「ほらァ、こっち見ないの」

 自分の職務に甚だ不誠実だったハナが、何故か急にやる気になっている。
 先ほどまでの残念な対応を考えると、そのギャップに俺はひどく興奮してしまう。
 ハナはボディソープを自らに塗って、俺の背中で自分の体を上下に擦りつけている。
 気のせいか、その先端の感触がはっきりしてきた気がする。


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