4-5
健太郎は春菜を自分の部屋に通した。そして彼女をベッドに座らせた。健太郎は水着のまま、上に薄いパーカーを羽織り、春菜の横に座った。「春菜さん、」
「はい・・・。」
「俺、オトコだから、二人きりで女のコがそばにいたら、その、何て言うか、こう、身体がむずむずしちゃって・・・。」
「いいの。私が勝手にシンプソン君のことが好きになって、勝手に抱いて欲しい、って思ってるだけだから。」春菜はうつむいたまま続けた。「だから、あなたが私のことを別に何とも思ってなくても、私は平気。仮に私の身体だけが目当てだとしても、私、平気だから・・・・。」
「俺さ、」健太郎が言った。「今の同級生見てて、何も考えずに、その場の雰囲気だけで生活してるやつらを見てると、すっごくむかつく。」
「え?」春菜は顔を上げた。
「一つのことに集中する、って言うか、真剣味、というかさ、自分の自信のあることに突き進む、っていうエネルギーがない、そう思う。でも、春菜さんは違う。」
「わ、私だって、ただ絵を描くことが好きで、そんなことばっかりやってるだけだよ。」
「違うね。君は画を描くことに自信を持ってるし、それに満足しない厳しさも持っている。恥ずかしいことに、俺、そのことをついさっき知った。」健太郎は春菜を見た。「俺、そういう人を尊敬する。」
「そ、尊敬だなんて・・・。」春菜はまたうつむいた。
「今日、君に描いてもらった絵に、俺が何かを吹き込むとしたら、君の想いに応えること。そして、自分の想いを伝えることかもしれない。」
「自分の・・・想い?」
「俺も、正直、君のことがすごく気になり始めた。。」
「健太郎君・・・・。」
健太郎は春菜の両肩を抱いて、そっと唇同士を重ね合わせた。「ん・・・・。」春菜は目を閉じた。
「眼鏡、邪魔にならない?」健太郎が耳元で囁いた。
「そのままでいい?私、あなたをずっと観察していたいから・・・・。」
「そう。」健太郎は微笑んだ。
健太郎は春菜の身体をゆっくりとベッドに横たえ、羽織っていたパーカーを脱いだ。彼は再び小さな水着だけの姿に戻った。「じっくり観察してよ。」
「うん。」春菜は微笑んでこくんとうなずいた。「私のことも、もっと見て、健太郎君。」
「わかった。」
健太郎は春菜のシャツをゆっくりと脱がせた。薄いピンク色のブラの中で春菜の乳房ははち切れそうだった。「私、今、胸の中がとっても熱くなってる。こんなこと・・・・初めて。」消え入りそうな声で春菜は言った。
「そうみたいだね。わかるよ。」
健太郎は春菜のキュロットスカートのベルトを外し、ホックを外した。春菜は腰を持ち上げた。そして健太郎はゆっくりとそれを脱がせていった。ショーツも薄いピンク色だった。
「これで、俺と同じ。」
「そうだね。」春菜は小さな声で言った。
「俺、初めてじゃないけど・・・・。」
「え?そうなの?」
「うん。で、でも今つき合ってる彼女がいるってわけじゃないから。もちろん。」
「いいの。私あんまり気にしない。あなたが経験済みってことは想定内。」
「ごめん。俺、ちょっとチャラいオトコだって思われたかな・・・。」
「思わない。健太郎君はそんな人じゃないってことは見ててもわかるし、夏輝もそう言ってた。」
「そうなんだ・・・。ありがとう。」
「私は初めてだけど、良かった。健太郎君が経験者で。」
「え?なんで?」
「だって、何にもわからない私を、あなたがリードしてくれるから。」
「そんなに経験豊富じゃないよ、俺。」健太郎は照れ笑いをした。
「私、安心してあなたに身体を預けられる。」
「春菜さん・・・。」
健太郎は仰向けになった春菜の唇に自分の口を重ねた。そしてゆっくりと吸った。上唇をちょっとだけ舐め、その口に舌を差し入れた。春菜の口はすでに半開きになっていて、健太郎の舌を少し震えながら受け入れた。
健太郎はキスを続けながら左手を彼女の背中に回し、ホックを外した。そして口を離すとそのまま両手でゆっくりとそのブラを腕から抜いた。春菜は思わず自分の胸を手のひらで覆った。健太郎は手首を持って、そっと春菜の手をどけた後、露わになった二つの乳房を交互に手でさすり、乳首を舐めた。
「あ・・・・。」春菜の呼吸が荒くなってきた。
しばらくして乳首を咥えていた口をチュッという音をさせて離すと、健太郎は顔を上げて春菜の目を見つめた。「ここまでなら、まだ引き返せるけど・・・。」
「え?」
「オトコってやつは、臨界点を超えると、もう最後までいかないと気が済まなくなる。今、俺、臨界点直前なんだ。」健太郎は笑った。
「大丈夫。私平気。あなたを受け入れるのに何の不安もないよ。」
「そう。良かった。」
「遠慮なく臨界点を突破して。」
「わかった。」
健太郎はベッド脇のサイドボードの小さな引き出しを開けて正方形の小さな包みを取り出した。そしてそれをベッドの枕元に置いて、穿いていた水着を脱ぎ去った。それから春菜のショーツもゆっくりと脱がせた。春菜は思わず目を閉じ、身体をこわばらせた。