山の放尿-1
こく、こく、こくっ・・・
一口、二口・・・思ったより喉が乾いていたらしい。里菜は蓋を閉めながらふぅと溜め息をひとつ吐く。
「本当に、気持ちいい天気・・・」
里菜の独り言に呼応するかのように、ピーヒョロロと鳶が鳴く。改めて見上げた空に鳶の姿を見つけることが出来ない。探す気もないけど・・・。ふと、辺りを見渡す。
(・・・う〜ん)
里菜の後ろに広がるのは栗林、目の前も林のようになっているが梨の木だろうか。周囲は人の姿はおろか、声も聞こえない。入り口から随分歩いたのだろうか。
「トイレは・・・」
思っていたよりも山の風は冷たく、急に尿意を感じて里菜は立ち上がる。公衆トイレのようなものは見当たらず、石垣の下にある林に作業小屋のような粗末な建物が見えるだけだった。もしかしたら、万一にでもトイレである可能性に賭けて、里菜は小屋へと小走りになっていた。
「あ・・・」
小屋は見た通りのまま、農作業の道具や括られた藁の束などが所狭しと置かれていて、トイレでもなければ、広い開口部は開け放たれていて身を隠すところも無かった。
里菜は慌てて周囲を見渡す。さっきよりも遠くまで目を凝らしてみたが、やはり建物と言えばこの小屋があるだけで、相変わらず人影もない。
(仕方ない、か・・・)
里菜は小屋の横に移動すると、もう一度、辺りを見回して人が居ないことを確認するとジーンズをパンティーと一緒に擦り下ろした。
―プシャアァァァァ・・・
しゃがんだ瞬間、太腿の奥から放出される尿の勢いに、脚を開く。いくら地味な服装でも、ブランド物のスポーツシューズだけは汚したくなかった。尻を撫でる草がくすぐったい。目の前の乾いた落ち葉は雨でも受けたように濡れたが、尿はすぐに地面へと吸い込まれてく。
「はぁぁぁ・・・」
空で鳶がまた鳴いた。都会とは違う風が滴の垂れる股ぐらを撫でていく。なんとか間に合った安心感に、爽快感が加わって深い溜め息を吐いたが、それさえ心地よかった。
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