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【サスペンス 推理小説】

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オフ会-1

 月曜日の午後1時、予定通りヨネコさんが小説仲間5人を連れて我が家にやってきた。みんなだいたい40代から50代前後の普通のオバサンばかりだった。それなりにきちんとした服装で来てくれているのに、会場がこんなボロアパートなのを驚いたのか、ヨネコさん以外はみんな一様に複雑な表情をしていた。

 そりゃそうだと思う。でも一応前日のうちに出来る限り掃除はしておいたし、人数分の座布団も用意したのだから今回はこれで勘弁してほしい。紫色のピカピカひかる生地のスーツを着たオバサンが手土産にケーキを持って来てくれたので、切り分けて皿に乗せ、紙コップにいれた紅茶と共にテーブルに並べた。ひとりがケーキをデジカメで撮影し始めると、我も我もとケータイやデジカメを取り出してフラッシュがピカピカ光った。

「うふふ、今日はみんなで会えてよかったわねえ。あ、この子はわたしの義妹でモモちゃんていうの。よろしくね」

 他の人がペンネームで呼び合う中で、ひとりだけ本名で紹介されてしまった。とりあえずへらへらと愛想笑いで流しておく。ひととおり自己紹介が終わり、場がなごんでくるとオバサンたちの本気トークが始まった。

 内容は小説のことというよりも、誰かの噂話や悪口がメインだった。●●さんたら、掲示板にあんなこと書いてたワヨー、とか、△△さんの書き方はいつも読みにくいし内容も変なものばっかり、だとか。近所の井戸端会議的なものと同じで、オバサンたちはこういう話題で盛り上がることによって生きる活力を得ているんだろうな、と思いながら、わたしはひとりハイペースでむしゃむしゃとケーキを頬張った。


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