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【サスペンス 推理小説】

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オフ会-2

 マシンガントークを繰り広げるオバサンたちを見ながら、話の中身がさっぱりわからないので退屈しのぎにひとりひとりにあだ名をつけてみることにした。ヨネコさんと一番仲が良さそうな紫スーツのオバサンは、体格も動作も動物園のゴリラそっくりなので『ゴリラ』と命名する。特徴的なべっ甲縁のメガネをかけた細身のひとは『メガネ』、息継ぎ以外はひたすら喋り続けている小柄なひとは『九官鳥』、緑のワンピースで常にケタケタと笑っているひとは『カエル』、同じくケタケタ笑い続けているちょっと体が大きくて声の低いオバサンは『ウシガエル』。

 我ながら悪くないネーミングセンスだと思って、ひとりでウケてにやにやしていたら、ヨネコさんが何を勘違いしたのかわたしに話を振ってきた。

「モモちゃんも楽しんでもらえてるみたいでよかったわ。ああ、この際だから、あのこともモモちゃんに聞いてもらおうかな」

「あのこと? 何ですか?」

 いままで笑っていたカエルとウシガエルの表情が変わる。みんなが少し視線を落として、空気が少し重くなったように感じられた。メガネが口を開く。

「そうね、可憐ちゃんが一番気にしていたもんね……でも、もう忘れたほうがいいんじゃない?」

「うん、どこのサイトでもああいうことってあるみたいだし……」

 ゴリラがため息交じりに言う。ヨネコさんはいつものように空気を読まず、勝手にべらべらとしゃべる。

「あのね、モモちゃん。わたしたち、小説投稿して、みんなで楽しく遊んでるんだけど、最近ちょっと嫌がらせに遭っていてね」

「嫌がらせ、ですか」

「そう。投稿した小説のコメントに、すごく嫌なこと書かれたりするの。誰が書いたかわからないんだけど、けっこう最近みんなちょこちょこそういう被害に遭っていて困ってるのよ」

「ふうん……」


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