主の花嫁-3
あれから、今日までいったいどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
触手たちは一定の時間を置いて、思い出したようにわたしを嬲りはじめる。そうされている間は、体に与えられる快楽のせいで何も考えずにいられる。ただ終わった後には言いようのない恐怖と自己嫌悪に陥り、誰もいないこの場所でただ泣き叫び続けるしかない。
でも、それももうすぐ終わるはず。
少し前から、わたしのお腹はゆっくりと膨らみ始めている。おそらく、新しい彼らの命を生み出すことになるのだろう。可愛いわたしの赤ちゃん。この子が生まれてくれば、わたしの役目は終わる。もう永遠に苦しむことは無くなるのだ。
また伸びてきた触手たちの気配を背中に感じながら、わたしはそっとお腹のふくらみを撫でて目を閉じた。
(おわり)