主の花嫁-2
鉄格子の一番端に体を押し付けていたわたしに、触手たちが次々とその先端を伸ばし始めた。足に、腕に、首に。太さも長さも様々なそれらが、べっとりと絡みついてくる。村人たちに弄ばれたときの体の疼きが蘇る。地面に大の字で押さえつけられた後、乳首をぎゅうぎゅうと絞るように締めあげられた。体が跳ねる。その上から触手たちがまた押さえつける。腕から脇、腰から足の間へと、何かを確かめるように体の上を這う。恐ろしくてたまらないはずなのに、気持ちが悪いはずなのに、それが触れた場所はあとからあとからほとばしるような快感が生まれていく。
「あっ……あぁっ……」
触手の先端が足の間をくすぐり始める。クリトリスを擦りあげ、薄皮を剥き、無防備なそれに吸い付いてくる。肛門のわずかな隙間から体内に忍び込んでくる感覚。ぐにゅぐにゅと弄られていると体が燃えあがりそうに熱くなった。膣の入口にはねっとりとした、触手の中でも一番太そうなものが押し当てられた。それはびちょびちょと体液を垂れ流しながら、まだ狭いそこを無理やり押し広げて侵入しようとする。
快感と共に体が裂けてしまいそうな痛みが走る。股間に目をやると、わたしの足ほどの太さの触手が膣を割ろうとしている。痛い、痛い……
「や、いやああああ！だめえええええ！そんなの入らない、痛い、痛いのおおおお！！」
触手たちは何も反応しない。ただその奥へ奥へと入ろうとしていくだけだった。ぐっ、と体を引き寄せられ、それはわたしの中へと捻じ込まれた。耐えがたい痛みで気を失いそうになる。でも痛みの後からやってくる快楽は凄まじく、気がつくとわたしは自分から腰を振っていた。化け物を相手に、夢中で、涎を垂らしながら。
初めての相手がこんな化け物だなんて……頭ではそれがどんなにおぞましいことなのかわかっているのに、体はこんなにも悦びを感じてしまっている。体の芯を突き上げられながら、乳首を弄られ、肛門をほじられながら、わたしは爆発的な絶頂を迎えた。体の力が抜ける。それでもまだ触手たちは許してくれない。
何度も体を引き寄せられ、膣内を突き上げられているうちに痛みは消えて快感だけが残るようになった。耳も口も、鼻にまで触手たちが潜り込んでくる。それでも快感はおさまらない。体はびんびんと疼き続け、それに応えるように触手たちのうねりは激しさを増した。
やがて体内で、どくん、と触手たちが脈打つのがわかった。内臓が焼けてしまいそうなほど熱いものが放出される。絡みついていた触手たちはするするとわたしの体から離れ、部屋の隅で小さく丸まっておとなしくなった。わたしはそのまま、触手たちに寄りそうような姿勢で気を失った。